フィクションなどから拾う情報処理用語? その49 復職 (必殺仕置屋稼業)

必殺仕置屋稼業 第1話「一筆啓上 地獄が見えた」(脚本:安倍徹郎、監督:蔵原惟繕 (C) 松竹)より

さて本編。中村主水南町奉行所の真ん前のふかし芋の屋台で、新富町で髪結をやっているおこう(中村玉緒)から、仕置人に復帰しないかと大胆な話を持ちかけられてびっくり仰天。何故自分の過去を知っているのかも謎だが、この素性の怪しい人物の話をうっかり聞き入れてしくじったら身の破滅は間違いない。また糸井貢の最期(時系列が合っていないのだが目を瞑ろう)をみてしまったので尚更裏稼業に戻りたくはない。なので主水はおこうの頼みを断ってしまった。

だがそれと前後して、おみよ(工藤明子)、さらに、おみよの妹でおこうが差し向けた、おいと(工藤明子) と接するうちに徐々にではあるが、影響を受けていく。とどめの一撃(大門豊談)は雨降る中、おこうとともに見かけたおいとの葬列である。

おこう「これでも中村はん、目を瞑ろうと言わはるのですか?」

これは効いた。

おこう「中村はん。うちは中村はん、見損のうてはりました。もう二度とお目にかかりまへん。さいなら。」

この三文芝居にまんまと主水は引っかかってしまったのである。実はこの会話をある男(沖雅也)が見ていたのだがその後繰り広げられる凶悪なやりとりは取り敢えず割愛。

捨三(渡辺篤史)「じゃあ、また始めるんですか?」

更に中村主水は市松(先ほどの男)と対決。

中村主水「まあ殺しの数は俺の方が上だぜ。」

と言う、これまた凶悪な一言が効いて彼も(無理矢理)仲間に引き入れることに成功。更に

印玄(新克利)「生きるも地獄。死ぬも地獄。どこかで仏に会ったら、俺は仏を殺すかもしれん。」

とほざきながら素手で薪を割った変態破戒僧も仲間にした。

主水は仲間を集めた後、おこうの元を尋ねた。

中村主水「金をもらおうか。約束は四両だったな。」

なんと都合の良い金額なのであろうか。それは置いといて、おこうは喜び更に

おこう「これは死んだおいとちゃんの書き置きだす。読んであげてだす。」

だが

中村主水「金だけでいいんだ。」

主水は書き置きを読まなかった。あくまでも稼業として仕置屋稼業を始めたのであった。
なお、実は主水は仲間として集めながらメンバーの誰一人も信用はしていないことが後の話でも明らかになるのだが、詳細は映像で確認してほしい。仕置人の頃と違って殺伐としているのだ。稼業と割り切ったはずなのに最終回では考えに考え抜いた末にああなってしまうのであーる。