フィクションなどから拾う情報処理用語? その57 なりすまし (仮面ライダーBLACK RX)

仮面ライダーBLACK RX 第32話「愛と希望の大空」(脚本:鷺山京子、監督:蔦林淳望、アクション監督:金田治と村上潤 (C) 石森プロ、東映)より

 

この話、仮面ライダーBLACK RX 第31話「怪魔界を見た女」(脚本:鷺山京子、監督:蔦林淳望、アクション監督:金田治と村上潤 (C) 石森プロ、東映)との前後編で前編を見た時は「力込めて作ったのはわかるんだけどさあ」と白けてしまい、それをそのまま記事に書いた。

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だが、なんとこの話への壮大な前振りであったことに、この話を観た時になって気づき、文字通り「しまった!」とオープニングでクレジットを観た段階で気がついた。だが、あくまでも隙間時間を使って書いているし、諸事情により出かけることもできない(その理由は色々あるので流石に書けない。あのなんでも御開帳する関根勤さんが「南砂町」について頑なに話すのを拒むのと似たような(?)理由…実は違うけど)ので、それを逆手にとって、この記事を書いている。だがこのネタに使えるのはやはりごく一部なので必要な部分だけを切り出そう。こういう手法を生前、上原正三さんが嫌っているのは承知しているのだが、思いついた事は書きたくなるのが私の悪い癖なのだ。

さてこの記事の主要登場人物はこの4名。

思いっきり端折って書くが、全員なんらかの形で怪魔界のことを知っている、もしくは、関係のある人物なのだ。他にもいるし、実は未だ書いていない人もいるのだが、一応、「ネタバレやめい!」の人が騒ぐのも困るので、以下はこのように書く。なお、ユーコミドリカワ(この名前もトホホなイメージを抱いてしまった大きな要因なのだが…)にマリバロンがなりすますのだが、今回は本物と偽者がミカという少女に同時に話しかけるという話である。時間が取れそうなので力込めて描こう。なおこの部分はあの採石場で撮られている。まあ大筋は、そう、あんたの思った通りだよ、師岡さん(中村主水談)だけんどね。

ミカ「おばさん(ユーコミドリカワのこと)、助けて。」

実は偽者が既にいるのだが、そこへ本物がたどり着いたのでややこしい。で視聴者は既にそれを知っている状態なのだ。

偽者「(邪心出しまくりで)さあ、頑張るのよ。」

本物「(遠くから駆け寄って遂に見つけ)ミカちゃん。ミカちゃん!(と駆け寄る)」

それを聞いて偽者も驚いた。この演じ分けも大変だっただろう、西崎緑さん。ミカも気づいてしまった。

本物「ミカちゃん!」

セリフはこれだけなのだが、ミカの表情も変わり、何かに気付いたのか、口をあんぐりしている。偽者の表情も当然変わる。遂に3人ごたーいめーん。当然、ここからが大きな見もの。代役も駆使(白ける描写だがそうしたのは間違いないので仕方がない)して

ミカ「(本物を見て)あー! ユーコおばさん。(偽者を見て)どうして?」

偽者「(即座に)あれは偽者よ。悪い奴が私に化けてきたの。言う事を聞いちゃダメよ。」

それはあなたでしょ、と視聴者は言いたくなるだろうが、ミカがそこまでわかったのかどうかはこの時点ではわからない。

本物「ミカちゃん、私を見て。ミカちゃんは騙されているのよ。」

その通り! (児玉清談)

しかし、ミカがどう思ったのかはよくわからない、この時点では。何しろ演じているのはどちらも西崎緑さんであり、代役でもあるからだ(ややこしいなあ)。

偽者「ミカちゃん。」

本物「ミカちゃん!」

文章で伝わるのかどうかはわからないのだが声のトーンは微妙に違うのでわかる人にはわかる仕掛けになっており、それも伏線にはなっているのだが、そういう度にミカは首をあっちこっちに向けてしまう。つまり、迷いがあるのだ。だが、それが確信に変わる時が来るので、しばらくそのまま文章でセリフだけを書こう。でもやはりボロは出るものである。

偽者「あんな奴に邪魔されない、二人だけで暮らせる国へ行くのよ。さあ、もっと念力を込めて!」

本物「そんなことしたら、おじいちゃん(永井秀和)はどうなるの?」

あーあ。

偽者「(ミカが振り向いたので)ミカちゃん。」

本物「私は絶対、ミカちゃんを捨ててったりしないわ。」

あーあ。

偽者「ミカちゃん。」

本物「ミカちゃん!」

文章を書いているだけでわかってくるよねえ。

偽者「(エコー入り)ミカちゃん。」

本物「(エコー入り)ミカちゃん!」

演出の方も力入って参りました。元々入ってますけど。

偽者「(エコー入り)ミカちゃん。」

本物「(エコー入り)ミカちゃん!」

ミカ「もういやー!」

昔、「サルでも描けるまんが教室」で「イヤボーンの法則」として指摘された状態となり、マリバロンの悪事は破綻しかかっている…のだが、なおもやりとりは続くのが厄介だ。

偽者「ミカちゃん。」

本物「ミカちゃん!」

ミカ「どっちが本当のヨーコおばちゃんなの?」

さて西崎緑さんの実年齢は本放送当時たしか28歳くらいだったと思うので、その年齢で「おばさん」と呼ばれるのは微妙な感じもするけれど問題はもちろんそんなことではない。あれ、もしかして、あのオープニングに登場した方より若干年上かもしれないけれど同じ20代かもしれませんねえ、ともうバレバレじゃん。ちなみに私は本放送当時ギリギリ10代かもしれないけれど20代かもしれない、これまた微妙な年齢であった。閑話休題

だがやはり化けの皮が剥がれてしまったのか、ミカはしっかり本物の方へ駆け寄ってしまった。当然偽者は大慌ての筈だが、まだ迷いがあるのか、ミカは怪訝な顔をして元のところへ戻ってしまった。だが、この時点で残り時間は…白けるのでこう言う表現はやめておこう。やはりボロが出てしまい、こんな本音をポロリとこぼしてしまった。

偽者「あと一息で怪魔界へ行けるわ。」

本物はトドメの一撃(大門豊談)を放った。

本物「(懐から取り出しながら)モモちゃん、置いていくの?」

取り出したのは大事にしている人形だ。そんなものを持ってきているとは視聴者もマリバロンも驚いた。これじゃあ、結末はわかるよねえ。

ミカ「本当のユーコおばさん?」

とか言いながら、しっかり歩きながら近寄っているのが、このネタもとい記事のミソ。なおも偽者は以前マリバロンが使った鞭(のようなもの)を使ってSMの女王様としての正体をユーコの姿のまま振るうという大失態を犯して(まあそうしたい気持ちは理解できるけどね)しまい、人形を叩いてしまったのだが、本物がそんなことするはずがないもんねえ。結果的にこの短慮がさらにダメ押しとなり

ミカ「あー。」

ダメだこりゃ。

ミカ「あたしのモモちゃん。」

本物と結局一緒になってモモちゃんのところまで…と思ったら、駆け寄ったのは偽者。未だ悪あがきとしてこんな事を言うのだ。私には蛇足にしか見えません。

偽者「(ミカを引き留め)待って。一緒に怪魔界へ行きましょう。」

だが

ミカ「やめてえ!」

またも「サルでも描けるまんが教室」で「イヤボーンの法則」として指摘された機能が炸裂。実は雲田もミカも大昔、怪魔界から地球へやってきた人の子孫なのだ。ダメだこりゃ。本当は続きがあるのだが、もうわかると思うので割愛。結構長かったし、やはり前回白けた話を書いた脚本家(以下省略)。

この話は外国へ戻るユーコミドリカワをミカ、雲田、南光太郎、そして白鳥玲子(書いちゃった)が空港で見送る場面で終了するのであった。なお調べた結果、やはり私はギリギリ10代でした。

あと、よく考えたら、京都での場所は違えど西崎緑さん(よく調べたら実は水戸黄門 第9部で川越が舞台の話で永井秀和さん(実は永井秀明さんの息子)と共演していて、その話もしっかり観たことがあって、更にそれ絡みで Wikipedia に加筆したという凄い事があったのを忘れていましたが、面白いので、このまま残します)と澄川真琴さんは採石場と京都でお仕事した方なのだが、それを本人は意識したかどうかは微妙だし、多分、そんなこと、誰も指摘しなかっただろうし、そもそも御本人も忘れ去っていたりするのでしょうね。まあ、私にはそういう難しいことはわかりませんが、参ります。1、2、3、チャラーン! こん平でーす。(林家こん平談)