フィクションなどから拾う情報処理用語? その70 模倣品(仮面ノリダー)

影同心』(正確には『影同心』と『影同心II』)を必殺シリーズの模倣品と言いきれたので、当然、『仮面ノリダー』も仮面ライダーの模倣品と言い切れる。ただ厄介な事に、これはこれで仮面ライダーに似せて作られたので私のような捻くれた男はこの模倣品を本物の精神を受け継いだ(まあある意味そうだが)ものと受け取ってしまったのだ。

そうなった要因はいくつかある。まず立花藤兵衛役は本家本元の小林昭二さんが演じていたのだ。私は講談社刊行の『仮面ライダー大全集』を買った上にスカイライダー(本当の題名はややこしいことに「仮面ライダー」だが敢えてこう書こう)当時に小林昭二さんが出演を断って谷源次郎が誕生した経緯を知ってしまったので、余計に本物の精神を受け継いだ(まあある意味そうだが)ものと受け取ってしまったのだ。

さらにナレーションはこれまた本家本元の中江真司である。だから余計に本物の精神を受け継いだ(まあある意味そうだが)ものと受け取ってしまったのだ。

そして立花藤兵衛は「喫茶Amigo」…お! ここから何かが違うことに気がつけば良い事例が続々と出てくるよ、でも愚かな私は気づかなかったのだ。正しくは「スナックAmigo」なのにねえ。

また敵組織の名は「ジョッカー」…お! やはり何かが違う。「ショッカー」ではない。

敵組織の幹部は「ファンファン大佐」…お! やはり何かが違う。「ゾル大佐」ではない。

とまあどんどん出てくるのである。まあパロディーとして許容できる範囲かもしれないが。なおアクション担当は大野剣友会ではなく倉田プロモーションなのであーるが、まあここで気づくべきだったのであるが、トドメの一撃(大門豊談)はやはり木梨猛の格好「白いパンタロン」でモデルにしたと思しきいわゆる旧1号編は(おそらく藤岡弘、さんの私物の)スーツであることが多いため、やはり微妙と言わざるを得ない。

ただ事態をややこしくしたのは、やはり私が仮面ノリダーの最終回、そう、最終回を見逃す失態を犯してしまったことであろう。今思えば落ち目になっていたとはいえ、なんらかの事情で最終回を見逃してしまった衝撃を私に与えたのは事実で、誰に聞いてもにやけて「キーングジョッカー」としか言わないので「は?」と思ったまま、気がついたら封印されてしまった(本当のところはわかりませんよ。でも私はそう受け取ってしまった)のが非常に大きかったのは間違いない。当時の仮面ライダーシリーズ制作者の怒りを考える余裕などなく、安直に当時の仮面ライダーシリーズ制作者を逆恨みしてしまったのである。そのわだかまりがきちんとした形で解ける日が来るかどうかは、やはり、それ以上の事はよく知りません(桂歌春談)。