フィクションなどから拾う情報処理用語 その5 IPS(Intrusion Prevention System) (秘密戦隊ゴレンジャー)

秘密戦隊ゴレンジャー第41話「青い万能戦車! バリタンク発進」(脚本:上原正三、監督:竹本弘一、技斗:岡田勝、(C) 石森プロ、東映)より

イーグルの隊員が幌付きのトラックを運転していた。
ゴレンジャー基地に資材を輸送するためである。
余談だが、演じているのは第24話、第25話、第26話の技斗を担当した池田力也さんである。
池田力也さんの運転するトラックが黒十字軍に襲撃された。
その指揮をとっていたエレキ仮面は荷台にいた隊員2名(おそらく大野剣友会の人)を倒し、池田力也さんにこう言った。

エレキ仮面「おい、このままゴレンジャー基地に向かって突っ走るのだ。」

仕方なく池田力也さんはトラックをそのまま走らせた。
そしてトラックは長沢浄水場もといゴレンジャー基地の資材搬入基地に到着した。
助手席にはイーグルの制服を着た新堀和男さんが座っていた。
あのアカレンジャーの中の人だが、池田力也さんの腹に拳銃を突きつけたのでその正体はアカレンジャーではなくてゾルダーであろう。
池田力也さんは門で警備をするイーグル隊員に通行証を渡した。通行証をゲートの装置に挿し込むと

イーグル隊員「よし、OKだ。」

1976年の時点では非接触ICカードなどなかったので、これでも最新(?)の認証技術だったのだ。時代を感じる場面である。
閑話休題

荷台でほくそ笑むエレキ仮面軍団の皆さん

エレキ仮面「まんまとゴレンジャー基地に潜り込めたぞ。ムフフフ。」

だがゴレンジャールームでは

ペギー松山「スパイが潜入したわ。」

ペギーが海城剛に、あのトラックのレントゲン写真を渡した。
エレキ仮面軍団の皆さんがしっかり写っていたのである。

海城「黒十字軍だ。」

後ろから明日香健二が覗き込んだ。
余談だが明日香の衣装は演じた伊藤幸雄さんの私服だったそうな。
そういえば、海城、新命、大岩、ペギーの衣装は毎回統一されていたが、
明日香の衣装はバラバラである。
流石に予算が取れなかったのであろう。
本郷猛を演じた藤岡弘、も同様の措置をとっていた。
もっとも人の良さそうな藤岡は「自分に合う服が見つからなかったんだよねえ」と言っていたが。
閑話休題

海城「よーし、行こう。」
明日香「OK!」

海城と明日香は出ていき、新命はレントゲン写真を観ていた。
愛用の帽子をしっかり被っている。

大平透「ゴレンジャー基地に入るには、まず第一ゲートで車の積荷に至るまでレントゲンチェックを受け、そして異質なものが紛れ込んでいるとチェックオフされる。このように決してゴレンジャー基地の本部に入ることはできない。そしてチェックオフされた車は…」

トラックが急停車して驚くエレキ仮面。
外に出るとそこはトンネルの出口でブルーマシンに跨る大岩、レッドマシンに跨る海城、そしてグリーンマシンに跨る明日香の順に並んでいた。

海城「残念だったな。簡単に潜入されてたまるか。」
エレキ仮面「おのれ、ゴレンジャーめ。」
海城「ゴー!」
大岩「ゴー!」
明日香「ゴー!」

というわけで戦闘開始。

エレキ仮面「エレキ仮面様に刃向かうとは良い度胸だ。よし。かかれえ。」

とはいうもののいつもの如く

ミド「ミド、パンチャー」
ゾルダー「ホイー!」
キ「キレンジャー様のキーステッカーの威力をみんしゃい。」

アカのヤリビュートと機能がかぶるような気がするが、キーステッカーの矢じりがエレキ仮面に突き刺さった。これは効いたようだがエレキ仮面も敗けてはいない。

エレキ仮面「エレキスパーク!」

これは効き、キレンジャーは「痺れちゃう」と悶絶する羽目に陥った。
こんな感じで暫く戦った後、コンドラーがやってきた。

エレキ仮面「おーい、ここだ、ここだ。」

コンドラーがエレキ仮面を掴んで飛び

エレキ仮面「この礼は100倍にして返すからなあ。」

要するに「今日はこれくらいにしといてやるわ」と捨て台詞を吐いて去ったのである。
以後もエレキ仮面はあの手この手を尽くしてゴレンジャー基地に潜入しようとしたが、結局失敗。以後、黒十字軍も最後の最後まではゴレンジャー基地への攻撃を行なわなかったのであった。