タイミング(あまちゃん)

あまちゃん 第5週「おら、先輩が好きだ!」第30話(脚本:宮藤官九郎、演出:梶原登城 (C) NHK)より

天野アキ(のん)は潜水土木科への編入も無事に済んでから、アキは毎日(母方の)祖父である天野忠兵衛(蟹江敬三)の「遺影」を拝むようになっていた。アキも春子(小泉今日子)も忠兵衛が死んだと思っていたのだ。

そしてアキが北三陸駅の待合室で潜水土木士の資格を取るべく勉強している時に、アキを諦めきれない、もとい、一途に思い続けている、あの男、足立ヒロシ(小池徹平)がやってきた。参考書を一生懸命読んでいるアキの隣に座って

足立ヒロシ「熱心だね。」
天野アキ「ああ!」

突然、声をかけられて驚くアキ。それにしても本当に間が悪いねえ。話しかけるタイミングを悉く誤っているのだから仕方がない。まあ私もこういう行動をとった事がありますよ、私の名前の読みはヒロシではないけどね。

足立ヒロシ「潜水土木科に編入したんだってね。ユイから聞いたよ。」
天野アキ「はい。」

だがアキの興味は明らかに資格を取る事にあった。ヒロシが本を覗き込んだところで

天野アキ「あの、ストーブさん。おら、勉強に集中したいんです。」

だがヒロシは自分の都合しか考えず、こう言ってしまった。

足立ヒロシ「その後、どうかな。」
天野アキ「どうって?」
足立ヒロシ「え、忘れたの?」

ここで気づけよ、ヒロシ君。だが(おそらく)ヒロシの脳裏に浮かんだのは

足立ヒロシ「好きなんだよ。」

とか

足立ヒロシ「アキちゃんのことが好きなんだよ。」

という場面。

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一応、アキも思い出したが

天野アキ「覚えてますけど、断片的に。」

という冷たいもの。そしてアキは本を閉じてしまった。邪魔が入ったからであろう。それでも

足立ヒロシ「で、そろそろ、答えが聞きたいな。」

そしてさらに

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でユイに託したあの手紙を懐から出し、

足立ヒロシ「これ、ユイに直接渡せって言われちゃってさ。」

と両手で持って差し出して、こう言った。

足立ヒロシ「読んでもらえないかなあ。」

それに対する返事は

天野アキ「今ですかあ!」

と嫌そうな感じ。アキの本音を察しなさいと思うのだが

足立ヒロシ「うん。こないだはアキちゃん、テンパってて。」

あの時の場面がまた流れた。

天野アキ「(頭を抱えて)脳味噌使っちゃダメなんです。」

他にも色々流れたがアキの答えは

天野アキ「(荷物を抱えて立ち上がりながら)だって、本気獲りの前の日だったから。潜る時は脳味噌使っちゃダメなんです。」

そしてアキはカバンをかけて立ち去ろうとした。それでも諦めきれずに呼び止めたヒロシにアキはトドメの一撃(大門豊談)を放った。

天野アキ「というか、ストーブさんって間が悪いですよね、何か。」

それでも諦めないヒロシに

天野アキ「今は勉強に集中してえの。」

一応、アキなりにヒロシを気遣っていた。

天野夏のナレーション「(薪ストーブの前でガラケーをいじるヒロシが流れながら)他に好きな人がいるなんて言ったら、ストーブさんはまたストーブの前から離れられなくなってしまう。」

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そしてその日また、アキは寝られなかったのであった。