守秘義務(あまちゃん)

あまちゃん 第5週「おら、先輩が好きだ!」第30話(脚本:宮藤官九郎、演出:梶原登城 (C) NHK)より

天野アキ(のん)は潜水土木科への編入も無事に済んでから、アキは毎日(母方の)祖父である天野忠兵衛(蟹江敬三)の「遺影」を拝むようになっていた。アキも春子(小泉今日子)も忠兵衛が死んだと思っていたのだ。

アキがヒロシからの手紙の受け取りを受けた夜、アキは仏壇に天野忠兵衛の「遺影」がない事に気がついた。夏(宮本信子)に聞いても「片づけた」という素っ気ない返事しか返ってこない。そしてそれ以来、夏が妙に浮き浮きしている事にも気がついた。そこでアキは春子にリアスで相談した。なおリアスには店番の今野弥生(渡辺えり)の他、大向大吉(杉本哲太)、今野あつし(菅原大吉)、小田勉(塩見三省)がいた。

今野あつし「それはあれだべ。アキちゃん、ユイちゃん効果でウニ丼が売れて、売れて、笑いが止まらないっていうパターンだべ。」

だが春子も何かに気がついた。

天野春子「いや、それだけじゃないかもしれない。」

春子にも思い当たる節があった。最近、化粧をしているのを見たのだ。

天野アキ「ひょっとして(夏)ばっぱ、好きな人でもできたんじゃない?」

いつの間にか今野弥生があつしのそばに座り

大向大吉と今野あつしと今野弥生「いや、いや、いや、いや、いや。」

即座に春子が尋ねた。

天野春子「いやあ、ないことはないよ。だって、お父さん、死んだのはいつよ?」

その問いに対して何故か

今野あつし「死んだ?」

慌てて今野弥生があつしをつねった。だが春子は気づいていなかった。アキが「去年って聞いた」と言ったからだ。

天野春子「え、そうなの?」

慌てて

大向大吉と今野弥生「んだ、んだ、んだ。」

それを聞き頭を抱える春子を見て

大向大吉「ちょ、ちょっと。春ちゃん、落ち着いて考えろ。だって夏さん、幾つだ? 64でしょう。いくら忠兵衛さん(蟹江敬三)が亡くなったからって。」

それを聞き

今野あつし「え、亡くなった?」

あつしはまたつねられた。しかし春子は気づいていない。ここで今まで黙って話を聞いていた勉さんが口を開いた。近頃、彼は漁協で内職をしているという。

大向大吉「勉さん、大丈夫か? 爆弾発言、飛び出すんじゃねえべな。」

なんと夏と長内六郎(でんでん)が抱き合っていたというのだ。実は理由があるのだが一同驚いた。

小田勉「そうとは限らないけど、やけに親しげだなあと思ってました。しかも、帰りがけ、」

やけに楽しそうに夏が「Hava a nice day!」と言って出て行ったというのだ。

今野あつし「怪しい。Have a nice day は怪しい。」

これを皮切りに色々と憶測する一同だったが

今野弥生「二人が不適切な関係だと思えば合点がいくわけだね。」

なお、この頃、当時のアメリカ大統領だったビル・クリントンが「二人が不適切な関係だった」という発言をしていた。大いに盛り上がる一同(除くアキと春子)だったが、そこへ入ってきたのは明るく笑うかつ枝と夏。一同、黙り込んでしまった。

長内かつ枝「なんだ、おめえら。」
天野夏「おっかねえ顔して。」

それにしても、今野弥生は何故あつしをつねったのかねえ。天野アキと天野春子が真相を知るのは、その翌日なのであった。