愛社精神(あまちゃん)

あまちゃん 第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」第32話(脚本:宮藤官九郎、演出:吉田照幸 (C) NHK)より

天野春子(小泉今日子)と黒川正宗(尾身としのり)が電話を終わらせた後は何故かアキ(のん)と忠兵衛(蟹江敬三)が話をしていた。北三陸へ来た経緯を話していたらしい。

天野忠兵衛「なるほどなあ。春子も気が強えからなあ。」
天野アキ「そんな絶好のタイミングで大吉さんからメールが来たの。」

から流れたが、色々話して

天野アキ「そういうことわざあるよね。なんかこう、ちょうどいがっだねえっていう。なんとかになんとか見たいな。」

あたりから珍妙な会話が始まった。

天野忠兵衛「猫に小判だ。」
天野アキ「違う。もっとこう、TシャツにGパンみたいな。」
天野忠兵衛「破れ鍋に綴じ蓋か?」
天野アキ「違う。もっとこう、寝る前に洗顔みてえな。」
天野忠兵衛「ビールに枝豆か?」
天野アキ「あ、渡りに船だ。」

えらく遠回りしたがやっと正しい言葉が出てきた。このドラマに出てくる人はこういう人ばかりなのだろうか? そしてやっと本論に入った。

天野アキ「そういうわけで東京か北三陸か悩んだ末、夏からずっと居座っている状態なんです。」
天野忠兵衛「うーん。そうかい。」
天野アキ「ごめんね、説明が下手で。」
天野忠兵衛「うーん、まあ、半分もわかんなかったが、ここが好きなのはよーくわかった。」

一番大事な事が伝わって喜ぶアキ。

天野アキ「好きだ。東京より全然好きだ。海や磯も電車もウニもまめぶも、ぜーんぶ大好きだ。」
天野忠兵衛「オラも好きだあ。」
天野アキ「だったら何で船さ乗るの? なんで年に10日しか帰ってこないの?」

よく考えたら元々よそ者のアキはこうきいた。その答えは

天野忠兵衛「うーん、なしてだべなあ。」
天野アキ「生きていくため?」
天野忠兵衛「それもある。海が好きなのはある。だが敢えて言うなら」

アキは姿勢を正した。

天野忠兵衛「ここが良いって言うのを確認するためだな。」

怪訝に思うアキに忠兵衛は夏が一歩も出ない代わりに自分が周って見てやると言った。

天野アキ「東京よりも?」
天野忠兵衛「北三陸も東京もオラに言わせれば日本だ。」
天野アキ「かっけえ。」

アキは感動。

そして翌日。北三陸高校で潜水の実習をするアキに磯野心平(皆川猿時)と種市浩一(福士蒼汰)が指導した。そこへ忠兵衛も現れてごたーいめん。忠兵衛も潜水土木科の出身なので盛り上がり、全員で「南部ダイバー」(作詞・作曲:安藤睦夫)まで歌い始めるのだった。でも、第29話の時点ではドン引きしてなかったけ、アキちゃんよ。