虚偽報告(必殺仕置人)

必殺仕置人 第16話 「大悪党のニセ涙」(脚本:國弘威雄、監督:工藤栄一 (C) 松竹)より

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第16話「大悪党のニセ涙」1973.8.4

 祭りの踊りの輪のなかで殺された三国屋。状況証拠から捕まった仙八は無実を主張、どうしても出牢し病の母に一目と訴えるのにほだされた牢名主の天神の小六は、風の強い夜赤猫招きの仕掛けで牢に火を誘い緊急解き放ちにさせる。
しかし仙八は真犯人のうえ奪った金が気になって確認したいがための涙芝居、隠し金を掠めた弟分に無体を働き老母も殴打する始末。顔を潰されたと激怒の小六(自尊心が強いって自分で言う)は鉄に大金を渡し仕置を依頼、囚人集合場所の回向院内陣で点呼の最中骨外し。

ロケ地
・仙八が金を隠していた光明寺、招善寺墓地参道。
・集合場所の回向院、粟生光明寺(薬井門、石段、本堂)。
*赤猫騒ぎの牢、女郎屋や酒屋に殺到する囚人たち、回向院に集まる囚人たちの躍動感溢れる描写が秀逸、さすが工藤栄一

この話、初見はおそらく中2の夏休みに軽井沢へ行った時にお昼にテレビ信州(当時はテレビ朝日系列の番組を時差ネットしており、必殺渡し人を火曜日に放送していた)で行なわれていた再放送。仙八(森次浩司)の正体を露わにしてやりたい放題始めた瞬間に自宅へ帰るために出る時刻となり、泣く泣く普通電車(115系)に乗ったのだが、高崎駅で乗り換えた普通電車(115系)が大雨のため本庄駅で長時間停まったため、これだったら最後まで観てから出ても変わらなかったのではないか、と不満を抱いたものである。もちろん、結末は後で観て確認した。

仙八が天神の小六(高松英郎)などへの虚偽報告を行なったのが事の発端である。仙八の言い分を信じた小六が真実を知って激怒するというのが大筋である。弟分の万造を演じたのは津坂浩史で、おひろめの半次を演じた秋野太作こと津坂匡章実弟。半次と万造が会う場面もある。老母のおみつを演じたのは三田一枝。万造の妻おしずを演じたのは京春上。

それにしても仙八を堂々と脱獄させるために付け火をするのが中村主水の発案だというのは酷すぎないかねえ。今回、せんは出ないがりつは登場し、主水に内職の手伝いをさせながら嫌味を言う場面がある。

仕置は念仏の鉄一人が行なうのだが、棺桶の錠もしっかり登場。仕置料は50両は小六から鉄に渡されて錠と分け合う。ただ鉄砲玉のおきんは前回同様登場しない。