昨日(2026/04/11)、日本プロ野球である記録が達成された。
ソフトバンクホークスの上沢が全12球団から勝利した投手になった試合をつまみ食い気味にNHK総合テレビで観て僕もエスコンフィールドへ行きたくなったよ。かつてはNPB全13球団の本拠地へ足を運んだ事があったのだが、エスコンフィールドは未観戦なの。
— Oriental History (@OrientalHistory) 2026年4月11日
日本プロ野球全12球団から勝利した投手がまた一人増えたのである。さて、この記録を達成した投手は他にいるのだろうか。それは Wikipedia にも載っている。
意外に多いと思うかもしれないが、時期と備考をよーく観ると日本プロ野球の歴史が見えてくる。
かつて、前世紀(20世紀)というか正確には交流戦開始前は達成が困難な記録だった。セントラルリーグとパシフィックリーグの球団、それも2球団ずつに在籍しなければ、全12球団から勝利を挙げる事など不可能だったからだ。こういう感じだ。
- 自チーム以外の5球団から勝利を挙げる
- 移籍後、古巣から勝利を挙げる
- 別のリーグへ移籍後、自チーム以外の5球団から勝利を挙げる
- 移籍後、第二の古巣から勝利を挙げる
つまり、3回移籍して勝利を挙げないと達成できなかったのだ。その時期に達成した投手は次の三名である。
- 野村収
- 古賀正明
- 武田一浩
ところが交流戦開始後、日本プロ野球全12球団から勝利した投手が激増する。それは達成する条件が低くなったからだ。どういう事かといえば
- 自チーム以外の11球団から勝利を挙げる
- トレードで別のチームに移り、古巣から勝利を挙げる
交流戦開始前よりも達成の難易度が緩くなったがわかるだろう。
さて話はこれで終わりにはならない。更に深掘りしてみよう。交流戦開始とほぼ同じ頃、大阪近鉄バファローズがオリックス・ブルーウエーブに吸収合併されて両球団はオリックスバファローズになり、東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生した。上記の3人は東北楽天ゴールデンイーグルスからは勝利を挙げていないのだ。だが、大阪近鉄バファローズと東北楽天ゴールデンイーグルスの両方からも勝利を挙げて日本プロ野球全13球団から勝利を挙げた投手も存在する。それがこの人である。
- 工藤公康
所属球団の関係で達成したので交流戦の有無とは無関係で達成 - 杉内俊哉
全13球団からの敗戦を達成した唯一の人 - 寺原隼人
全13球団からの勝利最後の達成者
そしてチャンスがありながら勝利を挙げられず、残念ながら日本プロ野球全12球団から勝利を挙げた投手(これはこれで凄いと思うが)にとどまってしまった投手が、この人である。
- 吉井理人
オリックス・ブルーウェーブ在籍時代に近鉄戦に登板しているが勝利はしていない。
そして交流戦開始後に日本プロ野球全12球団から勝利を挙げた投手第1号はこの人だ。
- 門倉健
中日ドラゴンズと大阪近鉄バファローズに在籍していたが、その後、横浜ベイスターズと読売ジャイアンツに在籍したので大阪近鉄バファローズ相手に登板もなし。
更には先述したが日本プロ野球全13球団敗戦も同時達成したのが、この人だ。
- 杉内俊哉
日本プロ野球全12球団敗戦自体は江夏豊も達成。
更に、リーグを移籍せずに達成した人もいる。
- 涌井秀章
他にも全球団敗戦とか全球団セーブとか全球団ホールドとか15球団から勝利を挙げながら全球団からの勝利は未遂という事例もあるのでなかなか奥が深いものである。
当然の事ながらMLBでも同様の事例はあるのだが、長くなるので必要最小限にとどめておこう。達成する可能性があるのがダルビッシュ有で、残り1球団の時点でMLBから去った為に未遂に終わったのが野茂英雄と黒田博樹だそうだ。
ただダルビッシュ有は日本では北海道日本ハムファイターズにしか在籍していなかったので日米全球団勝利達成投手は当分誕生しないと思う。