『助け人走る』第32話『偽善大往生』(脚本:猪又憲吾、監督:松本明より。
第32話 偽善大往生 1974.5.25
火事の被災者にお救い小屋を建てたり供養したりで仏の称ある備前屋、しかし当の火事はこやつの火付け。悪事を知る手下が密かにあるじから金を脅し取ろうとして一騒動、これに助け人たちが巻き込まれる。依頼自体は火事で親を失った幼い娘から来る。
ロケ地、備前屋が脅迫者の求めに応じ千両箱を置く猪牙船のもやる大川端、広沢池東岸。強請りに加担の浪人の仕官予定先の高須藩邸、大覚寺明智門。依頼者の幼女と、放火犯を求めて通行人を見る平内さん、中ノ島橋上。備前屋に雇われた龍が文さんの「死体」を投げ込む川、嵐山公園中州側河川敷(栗石敷きの右岸)。
*龍が文さんを襲撃して殺すお芝居、おとなしく担がれてゆく文さんの「死に顔」が頓狂でなんとも可愛い。
あらすじは上記の通り。『必殺仕掛人』でも似たようなネタがあったが、それよりも凝っている。『必殺仕掛人』で使用された曲も流用されている。
さて配役は次のとおりだ。
- 備州屋善右衛門 - 加東大介
頼み人兼標的。利吉に得体の知れない浪人に脅されているという話を持ち込み、文十郎が出動する羽目に陥る。火事で焼け出された人を助けるお救い小屋を開いて「仏の善右衛門」と言う名がついているが、その火事を起こしたのは彼の手の者で、しっかり、本業でも阿漕に儲けている。江戸中に支店を持っているのも大きなポイント。最終的には文十郎に兜割で刺される。 - 紋次 - 嵐圭史
標的。備州屋の部下。備州屋の悪事に関わっているのだが、半四郎をそそのかして備州屋から大金を得ようとして暗躍する。それは備州屋も察知しており、備州屋に脅されて寝返るが、最終的に平内に刺される。 - 外村半四郎 - 嵐芳夫
被害者。浪人。竹光をしているが火事で焼け焦げてしまった。士官に必要なお金などを得るためもあって備州屋を強請る連中に使われている。最終的に八重ともども紋次に殺される。 - 八重 - 伊藤るり子
被害者。半四郎の妻。何も知らぬまま紋次に殺される。 - 格助 - 天野新士
標的。備州屋の部下。備州屋に命じられて火付を行った張本人。 - おみよ - 玉山由利子
頼み人。火事で家族をなくした少女。史上最年少の頼み人だろう。平内に頼む。お吉とも絡む。 - 勘吉 - 田畑猛雄
標的。備州屋の番頭。龍に倒される。 - 貝塚彦兵衛 - 溝田繁
半四郎の士官先の高須藩の侍。 - 世話役 - 市川男女之助
- おかみさん - 木下サヨ子
- おかみさん - 太田優子
半四郎の住む長屋の住人
上記の通り、元ネタはあるが、凝った作りになっている。平内と文十郎は同時並行で動くのだが、途中で合流し、文十郎の方に持ち込まれた依頼が胡散臭い物だという結論に達する。龍は途中から登場。文十郎を「殺し」川に投げ込むなどの艤装工作も観られるのだ。
さて次回は頭領が一時復帰する話だ。当然、利吉達が江戸で助け人を続けているのは知らないので、そこも大きな見どころである。