フィクションなどから拾う情報処理用語? その84 なりすまし(翔べ! 必殺うらごろし)

翔べ! 必殺うらごろし 第15話「馬が喋べった! あんた信じるか」(脚本:松原佳成、監督:原田雄一 (C) 松竹)より

 

このシリーズからも意外と拾えるが極力省力化を図るのも趣旨なのでまずストーリーは便利なこのサイトから引用。

agua.jpn.org

第15話「馬が喋った!あんた信じるか」1979.3.16

 飼い主の危機を仲介する馬の口、断末魔の叫びも届く。この不思議が、ニセ八州の悪行を焙りだしてゆく。

ロケ地
・安中までと馬子を呼び止める正十、谷山林道頂上付近。馬の口から出た、助けを呼ぶ声を聞く街道は首無地蔵付近。馬子を探しに走る正十、保津峡落合落下岩から落ちかかっている彼を見る(このあとカメラ目線で「あんた信じるか」)。
・若が山籠りの先生と別れる街道、北嵯峨農地(農道)。
・馬子が馬に水を飼う川、罧原堤付近桂川汀(馬子が斬り合いを見るくだりはセット)。
・安中代官所、民家長屋門
・新任八州の許婚者が腹イタのおばさんを助ける道、北嵯峨か(松の根方)。連れ立って街道をゆく二人、嵐山自転車道
・絹取引所、下鴨神社河合社脇。絹商人が赤谷一家に殺されるのは池跡。
・絹商人殺しを見た人夫たちに甘言を用いるニセ八州、民家塀際。代官所へ向かう彼らを止める正十、民家南塀際。
・先生がニセ八州を仕置する林、下鴨神社池跡。
・加代を見送るおばさん、松尾橋下手右岸堤か。
・ナレーションに大内辻堂とボタ山のバンク映像。
*ヤサに残った三下に近づくおばさん、「お尋ねしますが。お金が落ちてたんですが代官所はどちらでしょうか」戸をそっと閉め刺す「大事なあたしのお金だよ。落としたりなんかするもんか」、ふふと微笑いながら金を掻き集める。

上記の通り、「ニセ八州」とは関東八州の代官の偽者で黒井軍十郎(清水綋治)のこと。彼は文字通りの極悪非道な悪党で安中をシマにするヤクザ赤谷の辰造(江幡高志)と組んでやりたい放題の極悪非道ぶり。辰造は十手持ちも兼ねているので厄介だ。あ、深読みすればニセ警察とも取れるのね、ただ時代劇ではよくある話だけど。また脚本と監督は以前も必殺シリーズを手がけた人ということからも明らかな通り、超自然現象(今回はテレパシーの一種のテレオーディエンス)を除けば必殺シリーズでもよくある話なのだけど、そこまで深読みできた視聴者も少ないのではと思ってしまう。

なお、結構遊びも多くて、たとえばアバンタイトル直前に孫市(横山あきお)が引く馬が喋る現象に遭って

正十「(木の枝に跨った格好で)あんた信じるか?」

はツボにハマって笑ってしまったが、悪党の悪行もそれ以上に凶悪で人が大勢死にまくるのでたまらない。

魂を鎮めるための殺し(だから恐いのですがね)の内訳は

  • 赤谷の辰造(江幡高志):おばさん
  • 三下達:若(キックボクシング中心かな。蹴ったり殴ったりする)
  • 黒井軍十郎(清水綋治)と権太(小池雄介):先生

かな。おばさんがやはり一番恐いと思う。殺しの手口は凝っていたので必見。内訳は間違っているかもしれないけど、辰造をおばさんが殺すのは確かだし、黒井を先生が殺すのも確か。

最後の救いは加代(植木絵津子)が死なずにおばさんに見送られて安中を去るところかなあ。