フィクションなどから拾う情報処理用語? その42 模倣品(翔べ! 必殺うらごろし)

翔べ! 必殺うらごろし 第2話 「突如 奥方と芸者の人格が入れ替った」(脚本:野上龍雄、監督:森崎東 (C) 松竹)より。

 

グレーゾーンを突くこの企画。大人の事情もあって規約に触れそうになることが多々あり、幾たびかの枠変更を経てこちらへ。別に何の恨みもございませんが、私がグレーゾーンを突くのが好きなのでこうなるのはある意味必然ですのでお気になさらぬように。奇しくも上原正三が書いた「ゲッターロボ」の神隼人や「バトルフィーバーJ」の神誠(奇しくも神繋がりだが狙ってのものかどうかは不明)同様に単独行動が好きな私。何にも言わずに変な行動をするのはもちろんいけないことかもしれないが、私としては「他人の力をあてにしないこと」を信条としているし、上原正三も疲れたとか飽きたとか言ってしょっちゅう担当番組を降りたりしていたので、いつの間にかそうなってしまったのかもしれないねえと他人事のように言う。で題名も少しだけ変える事により、本当になんでもありのような感じになるのが瓢箪から駒だ。

さて、たまたま休眠させていた枠が活用できることに気が付き、過去に酷すぎるネタも投下したことを心の中でほんの少しだけ侘びつつ(これだと一応詫びているとも取れるので嘘はついてはいない)、意外な人が必殺シリーズに参加していた事に驚きつつ、過去に別のネタで一部(ナレーション)を転用したネタにこのシリーズのネタが含まれていようとは私も最近まで気づかなかった。

さて例によって話は多分江戸なのかなあ。それは実はよくわからない。 行者の先生(中村敦夫)は何故か座敷にいた。ともにいるのはおばさん(市原悦子)と正十(火野正平)。正十は別の番組で活躍を見せていた正八(火野正平)と同一人物の可能性のある人だ。でそれを匂わす描写が確かにあるのだが、それは後の機会に取り上げるかもしれないけれども、今回のテーマではない。

さて先生は座敷で出された料理には手をつけず、手をつけたとしても刺身のツマについている菊の花など怪しいものばかり。店の主人(?)は当然不思議に思い、おばさんと正十にその理由を尋ねていた。

おばさん「いいんですよ、あれで。あの人は自然の物しか食べないんですから。」

店の主人「自然のもの?」

おばさん「草とか木の皮とか山鳥の卵とか。」

店の主人は当然驚嘆。二の句が告げなくなってしまった。そして先生は座敷にある木の実(柑橘類に見えるが詳細は不明)を食べようと弄っていた。良いのかねえ。すると芸者が声をかけた。木の実を食べる先生を注意…するわけではなく、手に持つのはお銚子と小さな盃。と言う事は真の目的は

芸者「お一つどうぞ。」

お酒を勧めに来たのだが

先生「ああ。俺はダメなんだよ。生まれてこの方、酒っていうものを飲んだ事がないんだ。」

芸者は粘ったが先生はつれなくこう言った。

先生「それより、誰か、水くれんか。」

これが思わぬ事件発生の元となった。実はこの話全体から見れば発端に過ぎないのだが、このネタもとい記事にとってはここが重要というずるい(?)場面なのだ。

正十「あ、水。は、はい、わかりました。はい、先生にお水。」

そう答えた正十はちょっとイタズラしてみようと思ったのだろう。なんとお銚子に入ったお酒を全部そのまま盃に入れてしまった。先生から見れば水の模倣品を渡されたような物である。でその場面をしっかりと観ていたにも関わらず、

芸者「はい、お水。」

と渡してしまった。

先生「すまん。ありがとう。」

でそれをしこたま先生は飲んでしまったから、さあ大変。どうなったかといえば

先生「変わった味の水だなあ。」

一応、怪しいとは思ったようだ。で立ち上がった途端に珍妙な曲(殺しの場面にかかる曲の変調ではある)が流れ出し、上の空で歩き出し、最終的には背中から仰向けに倒れてしまった…ってかなり危険な場面だぞ。頭を打ったらどうするの? そのまま寝てしまった先生をみて、一同は呆気に取られてしまったのであった。そして先生は長時間眠る羽目に陥ってしまったのであった。

そういえば若(和田アキ子)やおねむ(鮎川いずみ)が出てきていないする気がするが、一応、話自体には登場するけど、この記事には登場しない。続きは映像で確認してほしい。