オープンソースカンファレンス2011 Tokyo/Spring訪問記

3/4(金)と3/5(土)早稲田大学西早稲田キャンパスで開催されたオープンソースカンファレンス2011 Tokyo/Springへ行ってまいりました。私の職場からも近い場所での開催だったので午後半休でも13時からの発表を聞くことができました。


その午後最初に聞いた発表は「【基調講演】行政機関でのOSS利用はなぜ低調なのか」でした。発表資料はこちらにあるので、一部がわかります。自治体でオープンソースソフトウェアシステム導入が進まない理由は業務の標準化が出来ていないため独自仕様のシステムが多くなり特定のメーカーへの依存度が進むことにあるようです。そのため、特定のメーカーによる囲い込み(ロックイン)が進み、ますます導入が進まないという状態にあるようです。ただこれを打破しようとしている人は自治体にもいて京都府副知事 猿渡知之氏はその代表格のようです。彼の名前は発表者の山口英先生と岡田良太郎さんとの対談でも頻繁に出てきており、「あの方が京都の副知事だとは信じられない」「そうですね」という感じのやりとりまで飛び出しました。あまりの面白さに私が Twitter で、発表資料が公開されないかなあ、と Tweet したら、山口先生と岡田さんが素早く反応されたのにも驚きました。その日のうちに発表資料が公開されるという素早さ。山口先生はフットワークの軽い方です。午前中は別の会合に出席されていたそうです。

(2011年3月10日追記)ここで一点、訂正があります。猿渡知之氏を「京都府副知事」と書いてしまいましたが、現在は総務省にいらっしゃるそうです。このブログを読んで勘違いされた方がいらっしゃたようでご迷惑をおかけしました。訂正してお詫びいたします。


翌日は仮想化関係の発表を聞いた後、Linux女子会の会長さんに挨拶。1階ロビーは寒かったと思います。身重でよく頑張りました。同じ場所で午前中はDocJA主催の翻訳BOFの催し物が開かれていたそうです。次のOSC神戸でも開かれるそうです。私は諸事情で見られませんが、都合のつく方は覗いてみてはどうでしょうか。余談ですが、翻訳BOF関係者とLinux女子会の会長さんとも絆ができたようです。横の連携は大切です。もっとも私はできていないケースがありますが。


その後、「[パネルディスカッション] オープンソース/クラウド時代のキャリアデザインとは」を聴講。司会の赤井誠さんの人脈でHPに勤めたことがある人中心で討論が行われました。それにしても7社くらい転職された方もいるとは驚きです。その方は7社それぞれに家族ぐるみのつきあいをしている人がいるそうです。仕事をする上で一番大事なのは自分が何をやりたいのかをはっきりさせることではないかと私は思いました。


次にjus研究会東京大会「IPv4アドレス枯渇とその対応 〜IPv4アドレス,売り切れました〜」を聴きました。タイムリーな話題だったので会場は超満員。お話自体は目新しい物はありませんでしたが、IPv4アドレス枯渇という現状を認識することは大切な事でしょう。もっともその解が IPv6 というのは疑問が残りますが。


来場者数はOSCの中心人物である宮原徹さんが目標としていた2011人を軽く超え、2100〜2300人くらいまで行きました。会場が山手線の内側という好条件も影響したのでしょうが、オープンソースソフトウェアの盛り上がりぶりをよく表しているものだと思います。初期は「オープンソースで飯が食えるの?」と言われていたそうです。そのためか来場人数発表の時に宮原さんが感極まって泣く一幕もありました。


次回のオープンソースカンファレンス2011は神戸に行く予定です。(大分のことを忘れて次回が神戸の開催と書いてしまいました。訂正してお詫びいたします。)