オープンソースカンファレンス2011Sendai訪問記

本日はオープンソースカンファレンス2011Sendaiへ行ってまいりました。ご存知のとおり、東日本大震災のために開催できるかどうかが危ぶまれていたのですが、奇跡的に会場として予定していた東北電子専門学校が無事だったこともあって当初の予定通り開催できることになりました。東北新幹線も臨時ダイヤで復旧したので関東地方からの足も確保できたことも大きかったです。


さて私は前日夜に仙台入りしました。仕事を定時で切り上げ、東京駅からはやてに乗って仙台へ行きました。私は埼玉県上尾市在住のため、東京駅から東北新幹線で大宮以北へ行くのは滅多にありません。大宮駅からではなく東京駅から乗り込むのは新鮮な気分でした。というようなことを TwitterTweet していたら、@n12i さんから「やあ、それは奇遇ですねぇ」とのメッセージが。彼は KOF 10周年の記念行事に気づかず、仙台まで来てしまったのでした。


仙台の宿は会場から二番目に近いと思われるホテルです。4月末にOSC仙台開催が決まったと聞いた時に確認の電話を入れたときは「朝食はおにぎり2個までになります」と言っていたのですが、仙台の電気やガスの事情が改善されたので普段どおりの朝食をとることができました。関西より1週間遅れで放送の「探偵! ナイトスクープ」を見たりしてついつい夜更かししてしまいました。これが翌日に響いてしまいました。


さて当日朝にホテルを出て会場の写真を撮っているとまたも @n12i さんに肥じゃなかった声をかけられました。なんたる偶然。会場に入ってみると未だ開場しておらず、朝礼をしていました。朝礼が終わった後で受付で募金をしました。金額は東北楽天ゴールデンイーグルス星野仙一監督にちなんで1001円としました。でもそのあとで小銭を寄付したので正確な金額は不明です。


今回聴講したのは震災関連の3本と「オープンソースで作るプライベートクラウド環境」と「Ubuntuでマルチメディア編集 + 最新の11.04もあるよ!」です。震災関連ではSahanaとFOSS4G (Free and Open Source Software for Geospatial)、sinsai.infoが取り上げられていました。


SAHANAの発表は中心メンバーの野方純さんでしたが、残念ながらツールの紹介中心になってしまった印象があり、情報処理に詳しくない人には取っ付きにくいものになってしまった感がありました。これは構成の問題でしょう。焦りもあったのかもしれません。このツールを使ってどういう事をしたのか、どういう事ができるのかが少々わかりにくかったかもしれません。それは野方さんも十分わかっていたらしく、途中で観客席にいた岡野さんに話を振ったりしていました。あと、私の隣に座っていた人がSAHANAを聞いただけで席をたってしまったのも残念でした。震災関連で使われているのはSAHANAだけではないのに勿体無かった。まあSAHANAだけに興味があったのでしょう。


FOSS4G (Free and Open Source Software for Geospatial)はツールの紹介というよりはドキュメンタリータッチの構成になっていました。発表者の嘉山陽一さんが震災当日に体験したこと、FOSS4Gが立ち上がった経緯、FOSS4Gを使って行なったことが時系列に沿って語られていたのが印象的です。これはとてもわかりやすかったと思います。


とまあここまで順調に来たのですが、このあたりで疲れが出てしまいました。sinsai.infoやクラウドの発表では居眠りしてしまい、発表者の方には失礼なことをしてしまいました。本当に申し訳ございません。


来場者は一般入場者が250名、ブース関係者が50名、計300名でした。やはり開催してよかったと思います。ただ新幹線は復旧したとはいえ、宮城県のローカル線は完全復旧していません。仙石線で松島へ行くことはできない状態ですし、石巻線が復旧したとはいえ石巻へ鉄道で行くには小牛田を回らなければならないので仙石線を使うよりも時間がかかります。その悪条件の中、これだけの人が集まったというのは本当に素晴らしいことではないでしょうか。


懇親会では地元の人とお話をしました。会場すぐそばで働いている方は地震が起きた後、安全確認のために一度外へ出され、寒い中何時間も点検が終わるのを待っていたそうです。その後、職場では帰宅するようにとの指示があったとのことですが、鉄道が止まっているため10キロ以上も夜道を歩いたそうです。が、その夜道も大変です。何しろ電気が止まり、津波も押し寄せた後で道路はぐちゃぐちゃの状態。そんな中を歩いて帰るのは大変だったでしょう。別の方は当日は札幌にいたそうですが、帰宅が大変だったそうです。とりあえず仲間の人3名と一緒に福島空港まで行き、個人タクシーに乗って帰ったそうです。運転手の人は最初に「4万円でいいよ。一人一万円でしょ。」と言ったそうですが、実際は6万円以上かかったようです。その体験談は一つ一つが興味深かったです。名刺はたくさん交換しました。名刺入れに収納するのに苦労したほどです。ただ睡眠不足と飲み過ぎがたたり、少々気持ち悪くなってしまい座り込む状態になってしまいました。そうしたらJoururiの人がやってきて、一緒にお話ししました。仙台で商売すると東北地方全体で商売ができていいなあという話や西日本の自治体はベンダーが決まっているけれど東北地方はそうでもない、というような話をしました。どうも仙台でのお仕事に興味がおありのようでした。ジャストシステム出身だそうです。


さて次回は札幌で開催。往復の航空券は購入済みでホテルも予約済みです。どんな旅になるのかが本当に楽しみです。