フィクションなどから拾う情報処理用語 その12 標的型メール (仮面ライダーV3)

仮面ライダーV3 第47話「待ち伏せ! デストロン首領!!」(脚本:伊上勝、監督:折田至、(C)石森プロ、東映))より

季節は正月。
少年仮面ライダー隊本部で珠純子はキレイな晴れ着を着ていた。
大好きな風見志郎に見せたかったのだろう。

珠純子「ほら、こんなに年賀状がいっぱい。」

珠純子は両手に届いた年賀状を持って入って来た。
そこには立花藤兵衛会長、風見志郎、珠シゲル、そして結城丈二がいた。

藤兵衛「おー、どれどれ。うーん。」
シゲル「すごいなあ。全部V3に来てる。」
藤兵衛「ライダーV3 = 少年ライダー隊だ。がんばらなくちゃな。」

なお、この中で風見志郎が仮面ライダーV3であることを知っているのは藤兵衛と風見志郎本人と結城丈二だけ。風見志郎の意向で珠純子には伏せられていたのである。当然、シゲルも知らなかった(はずだ)。

シゲル「がんばるぞ。」
藤兵衛「そうだ。」

全部V3宛のはずなのにシゲルは喜んで、さらには「がんばるぞ」と言っていた。
だが風見志郎は意に介していなかった。

志郎「その調子だな、シゲル。」

なお結城丈二はずっと座ったままだった。
というやりとりがあった後、

純子「結城さんに来てないかしら。」

と無邪気に言い出した。ここから話は思わぬ方向へ進むのである。

藤兵衛「うーん?」
結城「まさか。」

それがあったのだ。

藤兵衛「お、あった、あった。結城君に来てるぞ。」

結城丈二は怪訝な顔。

結城「は? おかしいなあ。」
シゲル「誰から?」
結城「うん。」

なお結城は右手だけ手袋をしていた。明らかにおかしな格好だが純子もシゲルも突っ込まなかった。彼の右腕は義手なのだが、そこまで純子とシゲルが知っていたかどうかは定かではない。いずれにしろ、ノーマライゼーションの先駆けだ。閑話休題

結城「ん!? デストロン。」

なんと結城宛にデストロンから年賀状が届いていたのだ。
なお、少年仮面ライダー隊の位置は「セントラル・スポーツ」開店そうそう、デストロンから記念の花輪が届いていたので既にバレバレである。デストロン恐るべし。

結城「ヨロイ元帥。ふざけやがって。」

この名を見ただけで結城は興奮気味である。
それを察した(?)のか、風見志郎は

志郎「おい、ちょっと。」

結城宛の年賀状を取り上げた。

風見志郎「結城丈二
新年おめでとう。今年こそ
裏切り者は殺す。
デストロンを代表して。
ヨロイ元帥」

なおご丁寧にもデストロンのマークまで描かれていた。

藤兵衛「ご丁寧にも住所まで書いてあるぞ。」

思わず風見志郎は住所を読み上げてしまった。

志郎「横浜市中区山下町。ヨロイ元帥。」

と言うわけで風見志郎と結城丈二は年賀状に書かれた住所へミスミス行って、門の前でオートバイを止めた。

志郎「山下町205番地。」
結城「本当にあの中にヨロイ元帥がいるとでも言うのか!」

結城は大声で言った。かなり興奮しているようだ。

志郎「うん…ふ?」

自動車が走ってきた。横浜なのに練馬ナンバーである。
中にはデストロンの戦闘員とヨロイ元帥が乗っており、屋敷の中に入っていた。
別の入口があったようである。
それを物陰から風見志郎と結城丈二が見ていたが、結城の方が前のめりである。

結城「お、ヨロイ元帥!」

飛び出しそうになったので

志郎「待て。」

と止めた。

志郎「ヨロイ元帥はあの建物の中に入って行った。」

結城はうなずいた。

志郎「どんな罠があるか、様子を見ようじゃないか。」

と言うわけで志郎は屋敷の敷地に入って様子を伺っていたのだが

ヨロイ元帥の声「ようこそ。風見志郎。」
風見志郎「ヨロイ元帥。」
ヨロイ元帥の声「デーストロンの正月パーティー、参加するか?」
志郎「ふふふ。面白い。是非とも参加させてもらいましょうか。」

そう罠だったのである。あえて罠に乗った風見志郎。パーティーに参加した。

さて結城も屋敷の敷地に入っていたが

ヨロイ元帥の声「裏切者結城丈二。一人では恐ろしくて入ってこれんのか。貴様は裏切者。そしてその上に腰抜けだあ。」

それを聞いて結城はプッツンした。まあそれでなくても猪突猛進の性格である。これで京都大学を出たという設定なのだ。まあ科学的知識はそれなりにすごいが。

結城「くそ。ヨロイ元帥。行くぞ。ヤー。」

結城はライダーマンに変身した。
果たしてこのままで済むのか?
嫌な予感しかしないが続きは映像で。