フィクションなどから拾う情報処理用語 その21 業界用語 (ザ・ハングマンII)

ザ・ハングマンII 第9話「仮病の悪 大手術いびり出し作戦」(脚本:中村勝行、監督:小西通雄、擬斗:伊奈貫太 (C)松竹芸能)より

時は1982年 7月30日金曜日。
元国家機関の中心的人物と想像される神島泰三ことゴッドは秘密の組織を作っていた。リーダーは紆余曲折の末、日下部孝介ことマイト(黒沢年雄)になった。メンバーには加納良次ことデジコン(名高達男)、辻雄太郎ことオショウ(植木等)、桑野多美子ことタミー(夏樹陽子)などがいた。なおゴッドの事務所は西新宿にあるビルにあった。
さて今回の標的は医者とグルになって仮病で入院した暴力団の組長の松宮(名和宏)である。看護師に化けて病院に潜入したタミーが松宮のベッドのマットに細工し、松宮がマットを持って来させた。早速マイトとデジコンが布団屋に化け、マットを持って松宮の病室に向かった。

警備員「ちょっと待った。君達、これをどこへ運ぶのですか?」
マイト「松宮様からでございます。」
警備員「松宮さん!」
マイト「はい。先程特別注文いただきまして、早く持ってかないと怒られますので失礼致します。」

マイトは後ろにいたデジコンに声をかけた.

マイト「小西君、行くよ。」

デジコンの本名は加納良次。小西と言う名前ではない。そう、これは内輪ネタもとい業界用語なのだ。今回の監督は小西通雄。マイトを演じる黒沢年雄さんがザ・ハングマンシリーズに呼び寄せた監督で黒沢さんのお気に入りだったし、黒沢さんはしょっちゅうアドリブを入れていた。更に脚本を書いた中村勝行さんはスタッフの名前を登場人物に取り込むネタが得意だった。誰(黒沢年雄中村勝行小西通雄)の発案かは不明だが、小西通雄監督の名前をぶっ込んだのである。まあ情報処理業界でもこういう内輪受けネタは多いが、それと似たようなものである。
さて名高達男さんことデジコンはこう答えた。

デジコン「はい,失礼します.」

警備員は怪訝な顔である。こうしてマイト達はマットを松宮のいる病室へ運び込む事に成功したのだが、続きは紙面の都合で書けないし、本題ではないので割愛する。どうなったのかは映像を見たりして確認してほしい。