オープンソースカンファレンス 2011 Tokyo/Fall 参加記

11月19日(土)と20日(日)にオープンソースカンファレンス 2011 Tokyo/Fall に参加いたしました。東京での開催が二回とは言え、三週連続というのはさすがに疲れました。さて、東京では参加団体増加に伴って最近は金曜日と土曜日の2日開催となっていたのですが、今回は土日の開催です。これには理由がありまして、その日しか会場が空いていなかったからなのです。オープンソースカンファレンス 2011 Tokyo/Spring を早稲田大学西早稲田キャンパス(理工学部がある)で開いたので慶應大学での開催を目論んだようなのですが、残念ながら成功せず、色々探した結果、これまで開催地にしていた明星大学の協力でこの日の開催となりました。とは言うものの、今までとは同じ建物は空いていなかったようで、別の建物で開催していました。もっとも、慶應大学になったとして、東京都内のキャンパスは情報処理とは一切関係のない学部しかありませんし、情報処理関係の学部が入っているキャンパスは矢上とSFCなので、どのみち私の自宅から行くには不便でしたけどね。


今回は東京での開催とあって、先週の島根(松江)とは違って知り合いの人と遭遇することが多かったです。というか、先週はKOFも同時開催だったため、知り合いはほぼ全員、そちらに流れてしまったようです。初日は立川南駅OpenOffice/LibreOfficeの鎌滝さんと島根でお会いした川井さんと遭遇。川井さんは青梅付近在住なのでそれほど遠くはありませんが、私は埼玉県上尾市在住なので会場まで2時間くらいかかります。以前は国分寺に住んでいたので御近所だったんですけどね。その他、OSC. Government実行委員長の橋本さんやUSP友の会の人や東京OpenSolaris勉強会の人やOpenCoconの島田さんやMozilla組(元)組長やDoc-Jaの岡野さんなどと邂逅しました。展示や発表を見に行くよりも挨拶回りが主になりつつあります。もっとも、これは何度も行けば自然にそうなっていくものなのでしょう。


初日は生憎の大雨だったにもかかわらず来場者は多かったようで、当日行われた懇親会には200人超の参加者がいらっしゃいました。初日に聴講したのは次のとおりです。

  • ・Zabbix / ZABICOM による監視デザイン −テンプレートの有効利用−
  • オープンソースと先進技術のディープな関係
  • アセンブラを読んでみよう!
  • ・IT業界で働く先輩の仕事って、どういうものなの?〜 就職に役立つ仕事の内容をやさしく紹介 〜
  • ・【男性も女性もぜひ参加を】IT業界で働く女性(そしてみんな)のキャリアを一緒に考えましょう


この中で一番印象に残ったのは「【男性も女性もぜひ参加を】IT業界で働く女性(そしてみんな)のキャリアを一緒に考えましょう」です。その前の発表を担当した赤井誠さんのプロデュースによるもので司会を含めて女性3人で女性のキャリアについて話していきましたが、その中で入社10年までの女性の離職率が高いというデータが話題に上りました。私の同期でも二人目のお子さんを出産したりした時にそういう道を選んだ方もいらっしゃいます。かなり優秀な方で当然、上司の受けは私よりも良かったです。人それぞれの人生だから何ともいえませんが、継続して働けない事情があるのでしょうね。パネリストの方が所属されている株式会社アシストでは出産で辞めた人の再雇用制度があるそうです。フルタイム働くことが無理ということも考慮していただけるようです。そういう支援がないと難しいでしょうね。


発表が終わったあとは LT です。今回も私は参加致しました。ラインナップは次のとおりです。

  • ・「OSCを雑誌で紹介!」坂井 弘亮(KOZOSプロジェクト)
  • ・「転職はしてません。 〜勉強会会場提供のお知らせ〜」伊藤 正宏(Cobalt Users Group)
  • ・「上海でOSCを開きたい」菅 雄一(華東(かとう)OSS会)
  • ・「アド街この街日が暮れる」東平 洋史(個人)
  • ・「Muninを使ってサーバのリソースを簡単に監視してみなイカ?」前佛 雅人(日本Muninユーザ会)
  • ・「OSSと萌えキャラの相関関係とは。」minky0(サーバー擬人化友の会)
  • ・「Twitterでサーバ監視「もにったー」」森本 淳(個人)
  • ・「IT系と地域のつながり」高見 知英(横浜IT勉強会)
  • ・「"来年の"LLイベントの告知」松澤 太郎(Lightweight Language 2012(仮) 実行委員会)
  • ・「Ejectコマンドユーザー会の活動報告」あっきぃ(Ejectコマンドユーザー会)

菅さんは発表を始めようとしたら突然 LibreOffice がクラッシュし、復旧後も埋め込んだ写真が表示されないなどのトラブル続出。でも菅さんは「検閲が入った」とか言って乗り切っていました。
松澤さんはLightweight Language 2012(仮) 実行委員会の一員なのですが、途中参加していない時期があったため、その時期に触れる時は「○○は〜だったようです。よく知りません、」という感じの紹介が目立ちました (^^; 開き直ってそれを売りにしていたのが面白かったです。なお、松澤さんは弟さんも参加されておりました。
あっきぃはディスプレイの設定を間違ってしまって途中で映らなくなってしまって時間を浪費してしまい、途中から(多分わざと)投げ槍な感じでプレゼンを行なっていました。飼っていたハムスターはお亡くなりになってしまいましたが、Ejectコマンドの使用法に限りはないようです。
さて私の発表です。資料をご覧になればわかる通り、非常にくだらない内容です。鎌滝さんは「真面目な話から笑いをとる話に。」と書かれていましたが、当初の構想は違います。全編笑いをとりに行くつもりでした。最後に宮原徹さんへのお願いを入れておいたのですが、即座に「そんな理由で場所を決められるわけがない」と却下されてしまいました。
なお、LTでドラを叩いた女性は巫女さんの格好をしており、タイムキーパーを務めた女性はリクルートスーツを着用しておりました。タイムキーパーの方は就活のために上京しており、どうやら赤井誠さんプロデュースのセミナーがお目当てだったようです。この方とLT司会の今岡さんが同宿だったことが縁でタイムキーパーを頼まれたようです。彼女は震災関係のお仕事に興味があったようですが、残念ながら初日のみの参加だそうです。NHK小林千恵アナウンサーに似て可愛かったですよ。良い進路を選べるといいですね。


土日開催で懇親会はどうするのかと思ったら、土曜日開催でした。LT発表効果なのか、懇親会では名刺を交換することが多かったです。若い女性から声をかけられた時は驚きましたけど。彼女はフリーでWebデザイナーをなさっているそうです。


二日目は打って変わって快晴でした。それも幸いして大勢の人がお見えになりました。私が聴講したのは次のとおりです。
OpenSolaris最新情報
・第5回自治体IT調査の進捗〜災害後の被災地訪問を通して見えたもの
オープンソース開発者がディー・エヌ・エーを選ぶ理由
・jus研究会東京大会「法林浩之的ITコミュニティ運営論」
OSSでここまで出来る!横浜市消防局でのMoodleを使ったe-ラーニング導入事例 完全紹介
・エンジニアのための提案力向上セミナー 〜提案マネジメントのベストプラクティスの活用〜

OpenSolaris最新情報」は東京OpenSolaris勉強会の面々の発表。怪鳥もとい会長の滝さん(@kohju)さんは所用で東京に来られなかったためおりませんでした。あと日本オラクルもとい元サン・マイクロシステムズの方もいらしゃいませんでした。
「第5回自治体IT調査の進捗〜災害後の被災地訪問を通して見えたもの」は岡田良太郎さんが東日本大震災被災地の自治体を訪れて集めた情報を話しておられました。本来はアンケートだったのですが、諸事情により、被災地を直接訪れて自治体の方に話を聴いて回っているそうです。未だ集計中で中間発表の段階であるため、話の内容を詳しく書くわけには行きません。印象に残ったのは、大災害という非常時の前にはネットワークやクラウドなど無力だったということです。岡田さんは、兎に角一度被災地を観ておいた方がいいと仰っていましたが、その通りだと思います。私は女川と気仙沼線沿線へ一度ずつ行ってきました。そのうち女川へ行った時に撮影した写真をこちらこちらに載せておりますが、本当に凄まじい状況でした。
jus研究会東京大会「法林浩之的ITコミュニティ運営論」は要するに法林浩之さんの半生記です。jusとは日本UNIXユーザー会のことですが、法林さんはjusのuはUNIXのuではなくuserのuだと思って活動されていたそうです。彼は大学時代、フォークソング同好会に所属していたのですが、入ってみたらフォークソングをやっている人は一人もいなかったそうです。それがきっかけで名前よりも何をやって何を残したかのほうが大事だと思うようになったようです。
OSSでここまで出来る!横浜市消防局でのMoodleを使ったe-ラーニング導入事例 完全紹介」は情報処理の専門家ではなく、消防署の職員の方の発表です。e-LearningシステムMoodleの様々な機能を無改造で使っているとのこと。色々な教材が作られたそうなのですが、目下の課題は構築したシステムをどうやって保守していくかにあるようです。というのは公務員は異動が多く、すぐ人が交代してしまうのだそうです。
さて最後は「エンジニアのための提案力向上セミナー 〜提案マネジメントのベストプラクティスの活用〜」です。同じ時間帯に「震災後の復興に向けたICTの活用事例と「SAHANA」の取り組みご紹介」というのがあり、どちらにしようか悩みました。そこで

困った。”震災後の復興に向けたICTの活用事例と「SAHANA」の取り組みご紹介”と"エンジニアのための提案力向上セミナー 〜提案マネジメントのベストプラクティスの活用〜"が同じ時間… #osc11tk

Tweet したところ、"エンジニアのための提案力向上セミナー 〜提案マネジメントのベストプラクティスの活用〜"をプロデュースした赤井誠さんがすかさず「後者でしょう」と書いたため、後者にすることにしました。目ざといですね。この発表に関連して勉強会が開かれる予定で、こちら https://sites.google.com/site/teianlab/で議論が行われています。事務局懇親会は12月13日(火) 19:00頃から新宿付近で予定されているそうです。@hasegawさんのTweetが比較的正確だと思われます。


それにしても三週連続OSCというのは少々疲れました。11/26(土)は東京OpenSolaris勉強会があるのですが、お休みしようかなあと思っております。というのはその次の土曜日(12/3)にオープンソースカンファレンス2011 Fukuokaがありますので。Fukuokaとは言っても開催地は太宰府。ちょっと遠いですが、菅原道真の気分で行って参ります。