フィクションなどから拾う情報処理用語 その22 確率 (人造人間キカイダー)

人造人間キカイダー 第8話「カーマインスパイダーが無気味に笑う」(脚本:長坂秀佳、監督:北村秀敏、技斗:三島一夫 (C)石森プロ、東映)より

連続子供誘拐事件が起きていた。大勢の子供が拐われていた。孤児を養育する施設「ぐみの木学園」の研一少年も襲われかけた。その「ぐみの木学園」に自称伊賀忍者服部半蔵の16代目末裔の私立探偵服部半平ことハンペンが来ていた。そして光明寺ミツ子とマサル姉弟も来ていた。調子こいたハンペンは「助手の」ジローに任せるとほざいていたがジローはそこにはいなかった。「ぐみの木学園」教師雪村アキ子と研一少年から話を聞くハンペン。

ハンペン「さ、お聞きしましょう。君を3回も襲ったその怪物というのは、一体、どんな奴でしたか?」
雪村アキ子「あの、それが…あ、あー。」

なーんとハンペンの後ろに研一少年を襲った怪物ことカーマインスパイダーが降りてきていた。それをアキ子は見て気がついたのだがハンペンは

ハンペン「それが、どうしました?」

全く気がついていない。

アキ子「は、あのー。」

アキ子は前、すなわちハンペンの後ろを指差したが、ハンペンは未だ気が付かない。

ハンペン「はあ? ははは。だからどんな奴かと聞いとるんだ。」
カーマインスパイダー「つまり、こんな奴ってことだよ。」

流石にハンペンも気がつき悲鳴をあげた。
カーマインスパイダーは研一少年を拉致して外へ飛び出したがギターの音が聞こえてきた。で見ると

ジロー「ここだ。カーマインスパイダー。」

なぜ名前を知っていたのかは謎である…と思ったら第1話で主なダークロボットはシルエットでキカイダーに名前を名乗っていたね、すっかり忘れていたけど。

ジロー「スパイダー、弱い者いじめはやめろ。」

ジロー(伴大介…ではなくて金田治)は飛び降りて(伴大介が)戦闘開始。
カーマインスパイダーは抵抗したが

ジロー「チェインジ! スイッチオン! ワン、ツー、スリー。」

何故かスタジオの中に入って(?)キカイダーの姿に変身した。
でまあ色々あってカーマインスパイダーは退散した。
さてダークのアジトではダークの科学者星村ユカがギル教授に詰め寄っていた。

星村ユカ「プロフェッサーギル。あなたはいつになったら私の弟を探し出してくれるのですか?」
ギル教授「うーむ。」

逆ギレしたギル教授はアンドロボットを杖で殴り殺してしまった。ギル教授は新兵器・XR4号がいつできるのかをユカに尋ねた。でユカの答えは

ユカ「ですからそのためには無気力な子の血が必要だと言っているのです。」

子供はどんどん拐っているというギル教授にユカはこう答えた。

ユカ「今までの子供の血は使い物にはなりません。血液型がRH-でしかもスモールS型。その上、ラージQ型でなければなりません。100万人に1人しかいない血液型なのです。」

あ、あのう。すなわち確率は百万分の一である、最高で。これを聞きギル教授はプッツン! なんと言っているのかさっぱり聞き取れないほど興奮していた。そんな効率の悪すぎる作戦を実行するなど無茶であろう。
だが、なんと、その血液型を持つ少年がいたのである。研一少年だったのである。しかも研一少年はユカの生き別れの弟である可能性もあるという。それが今回の見どころ。長坂秀佳お得意のハッタリかました適当な作風全開の話が炸裂するのだが、詳細は映像で確認してください。後に長坂は「人造人間キカイダー」を伊上勝から「乗っ取った」のだが、そう本人が断言したのがよくわかる話である。