隔離(必殺仕置人)

必殺仕置人 第6話 「塀に書かれた恨み文字」(脚本:國弘威雄、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

バカ殿右京大夫(中尾彬)が偽者を奉行所に引き渡すのは中村主水の読み通りだった。主水は天神の小六(高松英郎)と相談し、辻斬りの張本人を逆に牢屋に叩き込む事にした。そして小六は送り込まれた斎藤市蔵(佐々木功)から言葉巧みに話を聞き出し、最終的には辻斬りの張本人がバカ殿右京大夫張本人であることや吉原へ行ったりする事を聞き出してしまった。そしてバカ殿右京大夫が吉原からおひろめの半次、念仏の鉄、棺桶の錠によって連れ出され、中村主水によって天神の小六のいる牢に送り込まれてしまった。その経緯を斎藤から聞いた江戸家老 北上帯刀(鈴木瑞穂)はついに決断した。

さてバカ殿右京大夫が牢から出されて守山藩上屋敷に着いてみれば、門は即座に閉められてしまった。驚愕する右京大夫

松平右京大夫忠則「開けろ。余じゃ。忠則じゃ。開けてくれ。」

だが

北上帯刀「開けることはならんぞ。開けることはならん!」

ここからの会話を載せておこう。

松平右京大夫忠則「北上。余じゃ。忠則じゃ。開けてくれえ。」
北上帯刀「御主君忠則様は本朝俄かに急死なされた。」

ガーン!

北上帯刀「よって御養子忠宗様がお世継ぎの事、既に幕閣にても認められておる。その亡き殿の名前を騙るなどおおかた気狂いか何かであろう。早々に立ち去れい。」

冷たく言い放った北上の言葉をバカ殿忠則は未だ受け入れられなかった。

松平右京大夫忠則「何を申す。余は死んではおらんぞ。北上、開けてくれえ。」

何故か、この少し前に朝日放送もネットしていた「ウルトラQ」を思い出してしまったが、門は開かず、北上はこう答えた。

北上帯刀「黙れ。夜な夜な罪なき百姓町人を斬り殺し、辻斬りのカドにて罪を受ける御主君などこの守山藩には断じておらぬ。分を知れ。痴れ者が。」

それでも痴れ者忠則は諦めきれない。

松平右京大夫(?)忠則「北上、北上、あー、北上。」

門は完全に閉められた。こうして元守山藩藩主忠則は隔離されたのだ。「北上」と叫んで門を叩く忠則。「開けろ」と叫んで門を叩く忠則。

北上帯刀「亡き御主君の御位牌は菩提寺にある。そのまますぐに出家なされ手にかけし者達の冥福を合わせて祈られるがよろしかろう。それ以外に道はない。それ以外に。」

忠則は門の前に座り込んで最終的には倒れてしまった。

さて処分は元バカ殿にとどまる筈がない。哀れな齋藤も含めた3名に北上帯刀はこう命じた。

北上帯刀「死ね。せめて武士らしく切腹させてやるのが家中一同の思いやり。己の恥を噛み締めて腹を切れ。ただし、介錯人はつけぬ。それが守山藩の裁きでもある。今夜、腹掻っ捌いて藩の恥辱をそそぐのだ。」

この処分に納得しなかったものが2人+2人いた。御徒組 新田内膳(大村文武)と御徒組 戸浦多三郎(千葉敏郎)、そして念仏の鉄と棺桶の錠だ。

念仏の鉄「あんな奴らに侍らしく切腹させられてたまるか。」

続きは映像で確認してほしい。なお北上帯刀の動きも見ものである。