スケープゴート その2(必殺仕置人)

必殺仕置人 第6話 「塀に書かれた恨み文字」(脚本:國弘威雄、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

色々あって中村主水は表のルートから一応訴え出たがやはり握りつぶされ、おしま(三島ゆり子)が女郎の年季を十年延ばして金を作った事(二十五両くらいある)により仕置人は始動。半次が瓦版を擦りまくって守山藩上屋敷にも貼りまくったり(これが題名の由来)、売りまくったり配りまくった事などが功を奏して守山藩の尻にも火がついた。

このバカ殿の行状を苦々しく思っていた江戸家老 北上帯刀(鈴木瑞穂)が齋藤(佐々木功)も含めた側近3名にこう言った。

北上帯刀「(瓦版の束を投げ捨てて)馬鹿者。だからあれほど申したのに己が殿にへつらい、辻斬りを繰り返すから、このような事になるのだ。」

齋藤が可哀想な気がするが、そこへバカ殿右京大夫(中尾彬)がやってきた。

松平右京大夫忠則「北上、今日、老中からなあ、酷くお叱りを被ったぞ。辻斬りの一件、あれほど守山藩の侍と噂になっては致し方ない。それらの侍を町奉行所に差し出せとのお言葉であった。」
斎藤市蔵「(末席から身を乗り出し)殿、ですから、私は…」

反省したのかと思いきや

松平右京大夫忠則「今、それを言ってどうなる。兎にも角にも咎人を出さねばならぬのだ。」

ダメだこりゃ。そしてバカ殿右京大夫は驚くべきことを言ったのであった。

松平右京大夫忠則「齋藤、お前が行け。」

北上は達観したのか無言。この話の一番の犠牲者は斎藤かもしれない。さて続きはどうなるのかは映像で確認してほしい。