情報漏洩(暗闇仕留人)

暗闇仕留人 第23話「晴らして候」(脚本:猪又憲吾、監督:松本明 (C) 松竹)より

深川で大吉が殺しを終えて帰る途中、佐吉(小坂一也)と出会してしまった。だが特に訴え出るような事をせず、蕎麦屋の屋台に入って行ったので、大吉は捨て置いた。

だが、その佐吉が南町奉行所の与力 間宮伝九郎(沢本忠雄)に与力 原(市川男女之助)一家殺しの下手人として捕まってしまったから、さあ大変。

佐吉「私はあの晩、深川の岡場所へ行ったんです。」

とアリバイを主張。佐吉からそれを聞いていた、妹で深川で芸者をしているおその(大谷直子)は大吉のところを訪れ、佐吉と出会ったことを証言してくれと大吉に頼み込んでしまった。おそのの頼みを聞けばお白洲に出なければならなくなる。そうすると深川で行なった殺しもバレてしまうかもしれない。なので大吉は「人違いだ」と言い張った。だがおそのの思い詰めた表情が気になった大吉も段々とおそのに同情。事件について調べるようになってしまった。

実はこれは間宮伝九郎と湊屋郷右衛門(西山嘉孝)が組んで行なった犯行。原は湊屋の抜け荷を調べていて、それを揉み消すために間宮と湊屋が動いたのだ。なのでおそのの動きを伝九郎配下の目明かしが監視していた。トドメの一撃は偽証人の直次郎(石山輝夫)である。白洲の場で直次郎は深川から出てきたのを見たと証言したが、間宮により直次郎の「証言」が「偽証」であることが「暴かれ」て、直次郎は「おそのに偽証を強要された」ため「偽証した」と証言。これを目の前で佐吉も観ていたため、観念した佐吉はおそのの件も持ち出した間宮の言葉に屈して犯行を認めざるを得なくなり、素早く処刑されてしまった。

この件を大吉の家で大吉と貢に告げる主水だったが、それを間宮配下の目明かしが立ち聞きしてしまった。そこで主水は「旅愁」が流れる中、目明かしをブッ刺したのだが、そこへおそのが来てしまった。

村雨の大吉「おそのさん!」
おその「あなた達はもしかして。」
中村主水「もしかしたらなんでえ。」
おその「お金を出せば恨みを晴らしてくれる…(懐から金を出し)ここにお金があります。これで兄さんの仇を。(大吉に渡して)頼みます。お願いします。お願いします。」

やむなく

村雨の大吉「わかったぜ、おそのさん。」

となるのであった。大吉は湊屋郷右衛門を殺した。なお貢は直次郎と間宮伝九郎を殺したが、以前とは違い、第19話以降は吹っ切れたのか、殺しの後も晴れやかな顔。だが黒船が再び来航すると同時に…のである。