乗っ取り(必殺仕置人)

必殺仕置人 第5話 「仏の首にナワかけろ」(脚本:山田隆之、監督:大熊邦也 (C) 松竹)より
安蔵(山田吾一)は佐渡の金山の穴の中で念仏の鉄と一緒に金堀人足をさせられていた。観音長屋の泥棒市で黒達磨の大八(遠藤辰雄)に所場代払えと責められていたところを鉄に助けられたのだ。今、安蔵は茶屋を営む佐平(美樹博)の軒先を借りて焼き芋屋をやっていた。鉄と安蔵と旧交を温め、女郎(正司照江)を通して穴兄弟となった。
だが安蔵には裏の顔があった。大雨の夜、安蔵は旗竿をずらして自分の土地を広げていた。それを見たのはまず佐平。

佐平「安さん、どうしてこんな事を。初めはずーっと向こうだったんだ。」
安蔵「は? そうでしたかね。」
佐平「とぼけるのは良い加減にしてください。あんたにお貸ししている坪数はちゃんとこの証文に。」

ところがこれが間違いの元。安蔵は証文を手に取ると、大雨をいいことに証文を台無しにしてしまった。

佐平「あんたは猫を被った恐ろしい人だ。半年前に行き倒れになったのを助けたのが大きな間違いだった。ろくに食べてないと言うから親切を掛けてやったのに。」

安蔵は高笑い。

安蔵「証文は無くなりましたよ。」
佐平「このままじゃ庇を貸して母屋を乗っ取られると言うことにもなりかねない。あたしはね、明日、骨つぎの先生(念仏の鉄)がここに来たら何もかも話して…。」

だが安蔵の目が変わった。

安蔵「とっつぁん。」

佐平は行方不明になった。

そして次の大雨の夜。佐平の妻お米(吉川雅恵)がそれを見た。

お米「安さん、あんたですね。あんたがうちの人を。」

だが翌日、お米は「木で首を吊って」死んでいた。

そして安蔵は娘のお春(藤田弓子)も自分のものにし、ついに佐平の店をも自分の物にしてしまった。

さて佐平はどこへ消えたのか。詳細は映像で確認してほしい。