確率(必殺仕置人)

必殺仕置人 第5話 「仏の首にナワかけろ」(脚本:山田隆之、監督:大熊邦也 (C) 松竹)より
安蔵(山田吾一)は佐平(美樹博)を殺し、妻のお米(吉川雅恵)も殺し、娘のお春(藤田弓子)も自分のものにし、ついに佐平の店をも自分の物にしてしまった。仕置人はついにそれを察知した。お春から受け取っていた五両が仕置料となり、仕置人は始動。お米が吊るされていた木に七本もの縄が繋がっていた。主水が安蔵に仕掛けを説明した。七本のうち一本だけが実際に木の枝に繋がっており、その縄を切れば、首吊りとなる。その確率は七分の一だ。

中村主水「さ、誰が始める?」
念仏の鉄「俺だ。」

鉄と安蔵が交互に首吊りのあみだくじをする流れとなった。

念仏の鉄「俺が死んだらおめえの身代わりだ。」

鉄は一本、縄を切ったが首吊りにはならなかった。そして安蔵の番になった。

念仏の鉄「安、おめえだ。」

なかなかやろうとしない安蔵を主水と半次が押さえ込んで無理矢理首に縄をかけさせた。ヤケクソで一本切った安蔵は首吊りにはならなかった。

安蔵「俺はくじ運が強いんだい。鉄、今度はてめえだ!」

本性を表したようだ。だが鉄が切った縄は枝には繋がっていなかった。ビビる安蔵。首に縄をかけたが、なかなか縄を切ろうとはしなかった。切ろうとしたら、品定めを始める始末。焦れた鉄が安蔵から小刀を奪って縄を切ると、その縄は枝に実際に繋がっており、安蔵は首吊りとなってしまった。驚く鉄。安蔵の懐からたくさんの小判がこぼれ落ちた。

念仏の鉄「仕置料の追加だ。」

だが鉄は思うところがある模様。ジッと安蔵を観たまま。佐渡での日々を思い出していたのだ。

中村主水「鉄、行くぜ。」

主水達は引き揚げたが、鉄は主水とは逆方向へ歩いた。そこへやってきたのは安蔵に焚き付けられていた黒達磨の大八(遠藤辰雄)率いる一団だった。鉄に襲いかかった大八達は鉄に全員返り討ちにあい、大八は首が後ろ前になってヨダレをたらす始末。ふと何か勘付いて戻ってきた主水はこういうのだった。

中村主水「達磨、お前も災難だったな。後ろへ回るのが首で良かったぜ。元気でな。」