命名(あまちゃん)
あまちゃん 第4週「おら、ウニが獲りてぇ」第20話(脚本:宮藤官九郎、演出:井上剛 (C) NHK)より
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足立ヒロシ(小池徹平)はそれからも袖が浜にやってきてアキ(のん)を撮っていた。
天野アキ「すいません、毎日。」
足立ヒロシ「毎日じゃないよ。今週は3回目?」
天野アキ「そんなに来てくれてたなんて1個もとれないだなんて。」
落ち込むアキを慰めようとしたのだろう。ヒロシはこう言ってしまった。
足立ヒロシ「元々、そんなにウニ好きじゃないし。イクラの方が好きだし。」
ところがこれを聞いてアキはこう言った。
天野アキ「イクラはとってこれねえ。」
慌ててヒロシは取り繕った。
足立ヒロシ「冗談だよ。わかりづらくてごめん。」
気まずい空気の中、よそよそしい感じでアキは言った。
天野アキ「それ、お仕事ですか?」
足立ヒロシ「あ、あ、Web用に地元の人をインタビューしているんです。北三陸の魅力を…。」
天野アキ「(ヒロシの言葉を遮って)あたしは良いです。ウニもとれねえのに喋る資格ないから。」
ヒロシは撮影をやめた。さらに気まずくなった。ヒロシは立ち上がった。帰ろうとしたのだろうか? すると
天野アキ「仕事、楽しいですか?」
足立ヒロシ「え?」
天野アキ「あ、興味ないのにきいちゃった。すいません。」
ガーン!
足立ヒロシ「興味ない?」
天野アキ「海に入ると嘘がつけないって言うか、つい本音が出ちゃうんです。」
だが話はこれで終わらなかった。
足立ヒロシ「楽しくはないけど、とりあえず親父は納得してるんじゃないかなあ。世間体ばかり気にする人だから。」
ここで地元の名士でもある足立功(平泉成)がこう言うのがまた流れた。
足立功「23にもなって昼間からウロウロして世間体の悪い。」
だがヒロシの言葉を聞いたアキの答えは衝撃的な物だった。
天野アキ「本当にそうかな?」
足立ヒロシ「え?」
天野アキ「(立ち上がり)世間体気にしてたら、あたしの前でストーブさん、ぶん殴ったりしないと思う。(座って)親として本気でストーブさんの事が心配なんじゃないですか?」
思わずヒロシは聞いた。
足立ヒロシ「ストーブさん?」
天野アキ「そう呼ばれてましたよね?」
ここでまた、足立功がこう言うのが流れた。
足立功「ストーブのそばから離れられないような奴は東京で続くわけがないって。」
さらに
足立功「こいつ、ストーブなんですよ。」
ヒロシはこう言うのが精一杯。
足立ヒロシ「ああ。」
さらにアキはこう言った。
天野アキ「子供がかわいぐねえ親なんか、いねえと思います。」
気まずい空気の中、アキの気が変わり、ヒロシの思惑とは違う形になったのだが、一応、アキはインタビューに応じることにしたのだったが、この時撮影された動画がアキの運命を変えるとは思いもよらない、アキであった。