フィクションなどから拾う情報処理用語? その162 聞き取り(あまちゃん)

色々あって天野アキ(能年玲奈)は足立ユイ(橋本愛)と北三陸駅の待合室でまた話していた。アキが東京から来てユイが北三陸に住んでいることはお互いに知ってはいたが

ユイ「ねえ、アキちゃんちって東京のどこ?」
アキ「ああ、世田谷。」
ユイ「ウソー!」

ここから怒涛の如く聞き取りが始まるのである。

ユイ「下北沢? 三軒茶屋? 」
アキ「だいたい、その辺かなあ。」
ユイ「ウソー!」

ユイは立ち上がってしまった。そしてアキの隣に座り直し、

ユイ「下北沢ってさあ、演劇とロックの街なんでしょう。秋葉原ってアイドルの聖地なんでしょう。 」

ついにユイはアキの手まで握り出した。握手会をやっていると言い出し、

ユイ「あ、そうだ。井の頭公園でボートに乗ったカップルって絶対別れるんでしょう。 」

そういえばそうだが井の頭公園は23区の外の武蔵野市にあるのだが、ユイの興奮は収まらない。アキは呆気に取られたままだった。こういうのが精一杯だった。

アキ「随分、詳しいね。」

するとユイは言った。

ユイ「うん。でも東京行ったことがないんだ。 」
アキ「そうなの?」
ユイ「うん。」

次の日も待ち合わせしてユイと出かけることになったのだが、この後の展開を2人とも、どの登場人物も、そして視聴者も知る由はなかったのであった。ユイが一生東京へ行けない(であろう)ことを。