フィクションなどから拾う情報処理用語? その47 テスト (仮面ライダーBLACK RX)

仮面ライダーBLACK RX 第26話「ボスガンの反撃」(脚本:江連卓、監督:小笠原猛、アクション監督:金田治と村上潤 (C) 石森プロ、東映)より。

 

ボスガンは仮面ライダーBLACK RX打倒の作戦を立案していた。クライシス帝国皇帝陛下が今までの作戦失敗の連続に烈火の如く怒り、ジャーク将軍が更迭されかねない事態になっており、うまく立ち回れば自分が将軍になれるのではないかという野心もあってのことだった。だから、彼なりによく考えて作戦を立案していた。

でまず「怪魔稲妻剣を独断で開発させて」いた。その目的は

ボスガン「私の命令通りRXを切り裂きロボライダーを貫く豪剣に仕上げたのであろうな。」

そして当然、テストを行なった。まず入ってきたのはどこかで見たような、ロボライダーによく似た姿のロボット。これをボスガンは見事に斬った。

ボスガン「見事だ。本物のロボライダーと同じ素材で作られたシミュレーションロボライダーを切り裂くこの怪魔稲妻剣。もうRX恐るるに足りん。この上私は既に怪魔獣人ガイナギンガムを地上に放っている。」

自画自賛してしまうのも無理はない。「本物のロボライダーと同じ素材で作られた」をどうやって作ったのかは疑問だが、ツッコミどころは他にもある。まあウルトラマンAに出てきた話を私は思い出した。市川森一が書いたゴルゴダ星の話である。それは兎に角、ボスガンはテストがOKだったので満足した。なお今回の刺客は帰ってきたウルトラマンに出てきたフェミゴンのような姿をしているが、そこまで意識したかどうかはどうでも良い。続けてボスガンはこう言った。

ボスガン「仮面ライダーRX。覚悟しておけ。貴様を人間達から切り離し、一人ぼっちにして、その後で必ずこの怪魔稲妻剣で倒す!」

自画自賛極まりないがよく聞けば、何かを忘れているような気がしたよ、少なくとも私は。

そして作戦は実行され、確かに途中まではボスガンの思惑通りに進んだところもあったが、そうでないものはそれなりに進んでしまい、色々あって

バイオライダー「俺は怒りの王子! RX! バイオライダー!」

の登場もあって敗れ去った。まあテストケースが微妙に足りなかったのである。

さらにボスガンはジャーク将軍とこんな凶悪な会話までする羽目になった。

ボスガン「将軍、後一歩のところまでライダーを追い詰めたのですが手傷を負ったためにやむなく引き揚げてまいりました。」
ジャーク将軍「ボスガン。それでは余の後の将軍の地位は狙えぬではないか。」

なんとジャーク将軍はボスガンの野心を見抜いていたのだ。まあ他の2名(マリバロンがどうだったかはわかりません)も見抜いていたから、当然だ。で凶悪なやり取りがあった後、あの怪魔稲妻剣をジャーク将軍は折ってしまい高笑いして去ってしまったのであった。本当に恐ろしいオチだねえ。結局、怪魔稲妻剣自体もトホホなものだったという印象を残しつつ、この話は終了したのであった。