フィクションなどから拾う情報処理用語 その102 リモートコントロール (忍者キャプター)

忍者キャプター 第22話「キャンプ場は風魔の墓場の決戦!!」(脚本:伊上勝、監督:奥中惇夫、技斗:高橋一俊 (C) 東映)より

本格的に行き詰まるのはスカイライダーの頃なのだが、この頃、伊上勝は既に行き詰まっていたのではないかと思うのである。彼の息子の井上敏樹が看破した通り、伊上勝の作風は紙芝居のような物だと私も思うのだが、同じようなパターンの話が続いてしまい、なんだかなあ、と感じてしまうのが、忍者キャプターの作品群なのだ。なお、この番組は当時の東京12ちゃんねること今のテレビ東京で制作されたので全国で放送されたのかは怪しい。そこもイマイチな印象を与えるのだが後番組の快傑ズバットの異様な人気ぶりを考えるとやはり制作された話がイマイチだったからではないかという結論に達する。
さて今回登場する風魔の忍者はあやかし三行者の三人目の鏡行者(声:渡部猛)だ。友達と川辺に遊びに来ていた泉敬太(中三らしい)こと風忍(長いので以後は風忍と書く)を襲撃する形となった。鏡行者はあやかし三行者の三人目とあって強く、風忍がかなうわけがない…このパターンの話を何度も観たような気がするし、泉敬太の友達が襲われるパターンの話も何度も観たし…と私が溜息をつきたくなる理由がわかるであろう。で今回は風忍が敗けるパターンである。
鏡行者が逃げるのを追いかける風忍だったが、その魂胆に風忍はまだ気がついていなかった。頃は良しと振り返った鏡行者はこう言い放った。

鏡行者「風魔忍法鏡縛り」

そして彼が振り返ると背中には大きな板のようなものがついていた。それは鏡だった。そうか。だから鏡行者だったのね。風忍が呆然と立つのが写る間もなく

風忍(?)「(鏡行者の声で)さあ風忍、来るのだ。」

なんと鏡の中の風忍(?)が手招きした。

風忍(?)「(鏡行者の声で)来るのだ、風忍。(何故か風忍は近づいていく)来るのだ。来るのだ。」

驚くべきことに

風忍「足が自然に動いていく。」
風忍(?)「(鏡行者の声で)さあ、風忍、来るのだ。」

鏡の中に入ったの? そうでもなかったようだ(?)。高笑いする鏡行者がまた振り返ると、彼は風忍を抱き抱えていた。

鏡行者「風忍キャプター、簡単に殺すのはもったいない。利用してくれるわ。」

そして画面が変わると泉敬太が怪しい目つきで天堂家(昭和51年頃の練馬区でロケしたのであろう。道路が舗装されている。「ちむどんどん」にリアリティを感じなかった理由が図らずも描かれてしまったが本筋ではないし「ちむどんどん反省会」を冷ややかに眺める私は彼らに肩入れする気などない)に向かって歩いていた。そう。彼は鏡行者に操られてしまったのだ。鏡行者はあそこにいたままなので遠隔制御つまりリモートコントロールだね。
でまあこの番組を観たことがある人ならオチはわかるだろう。風忍が天堂家で中途半端に暴れた末に、そう、火忍が鏡行者を倒しておしまいなのだ。忍者キャプターは「火忍 + α」なのではないかと思いつつ、このネタもとい記事を終了する。