取引(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第26話「抜穴無用」(脚本:松原佳成と嵯峨忍、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

さてお月見屋敷に仕置人が侵入したが、仕置は失敗。

月峰(灰地順)「恨みを買ったとすれば三次(布目真爾)に女房がいた筈だ。その者の口から聞き出せ。」

早速、尾関一心(南原宏治)と岡っ引の権太(剣持伴紀)が三次の妻のきく(西条真砂子)を脅迫。子供を盾にされたので寅の会のことを話してしまった。

そして翌日。橋の欄干に虎が腰をかけ、子供達を相手に遊んでいた。後でわかるが遠くから死神が監視している。そこへやってきたのは月峰だ。死神が月峰に気づいたが

尾関一心「動くな。争いに来たのではない。話し合いに来たのだ。」

そして月峰は虎と話を始めた。

月峰「私が今、生きた姿のままであなたのそばにいる。驚かれてるんじゃないですか。」
虎「用件は?」
月峰「三次の女房が私の殺しの依頼を取り下げに来たはずだ。お互い、今までのことは水に流そうじゃないですか。あんたが私の秘密を知っているように私もあんたの句会の秘密を握っている。しかしそれを取り沙汰したところでお互いの得にはならんでしょう。ここではっきり約束しましょう。今後、双方とも一切干渉はしないという。」

この慇懃ながらも図々しい要求に対する答えは

虎「良いでしょう。しかし、再び依頼があれば…」
月峰「二度とそれはないでしょう。私もまだこの世に未練がありますからなあ。」

そして月峰と尾関一心は去るのであった。