代金 その2(新・必殺仕置人)
新・必殺仕置人 第37話「生命無用」(脚本:松原佳成、監督:高坂光幸 (C) 松竹)より
さて本題はもっと悲惨な話が待っていた。実は銀平(高峰圭二)の父親は銀造(垂水悟郎)と言う島帰りの男だった。島から帰ってきたばかりだったが銀平が悪事に手を染めているのに苦しみ、銀平に色々と忠告してはいたのだが、銀平は銀造が自分の父親だとは知らず、更に話の流れから銀造と仲良くなっていた巳代松の家で、銀造が銀平の父親だと打ち明けても
銀平「一緒に暮らそうだと! これ(右腕に彫られた島帰りの印の刺青)と一緒にか!」
と罵倒する始末。銀平は聞く耳を持たなかった。銀造は巳代松が持っていた竹を切るためのナタを手に取り、右腕を切ってしまった! 流石の銀平もこれに衝撃を受け、心を入れ替え、銀造を受け入れた。そして悪事から足を洗う事を誓った。しかし、配役で分かる通り(?)、大黒屋がそれを聞き入れるわけがない。銀平は始末されてしまった。
銀造は「命 売ります」と書かれた紙を背中に貼り、歩き回った。仕置人に頼もうと考えたのだ。お金は払えないので自分の命を代わりにしようと言うのである。そしてそれが死神、そして虎の目に留まった。
さてここは念仏の鉄の家。暑さもあって赤い襦袢一枚になって寝そべり、まったりと本を読みながら落花生を食べていると何かが投げ込まれてきた。
念仏の鉄「こら、このガキ。」
だが投げ込みしたのは死神だ。曰く
死神「次ノ寅ノ日マデ待テナイノデ、オ前ニ頼ム。」
と言うわけで仕置の分担は
- 番頭 九助(鶴田忍):念仏の鉄
- 岡っ引 熊吉(五味龍太郎):巳代松
- 大黒屋七兵ヱ(天津敏):中村主水
となるのであった。もちろん、仕置料は虎が出したのである。