フィクションなどから拾う情報処理用語? その54 喫煙室? (新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第4話 「暴徒無用」(脚本:安倍徹郎、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

いつもの虎の会。

吉蔵「それではこれより挙句を頂戴いたしまして本日の興行を終わりたいと存じます。」

というわけで詠まれたのは

多摩の山
山霞なる
かげ伊右衛門(遠藤太津朗)

虎漫筆

さて頼み料は13両。で場所はというと

仕置人の一人「多摩のどの辺りでございますか?」
吉蔵「青梅の奥のそのまた奥にございます。」

仕置人達はブー垂れている。後で中村主水のセリフからもわかるがなんと「人三猿七」と言う、人が3人に対して猿が7匹というとんでもない山奥の霞村なのだ。旅籠代だの乗り物代(多分、駕籠や馬)だの考えるとどう考えても足が出てしまうからだ。まあ特撮のロケ地の宝庫ではあるが、そんなものが江戸時代にあるわけがないので、そこまでわざわざ足を伸ばすなんていくらなんでも少額…と言いたいところだが、後でわかるが頼み人はこれが精一杯という状況で虎もそれは承知。それは何故か死神と凶悪なやりとりをしてしまった鉄(と正八とおてい)も承知しているらしい。間違いがあったとは言え、書状を読んでしまったので。ということもあったのかどうかまではよくわからないが、12両で競り落とそうとした人がいたものの、最終的に

念仏の鉄「6両」

という驚くべき少額で鉄が競り落としてしまった。

虎「ではこの命、6両にて落札。」

相変わらず虎は棒読み。鉄はニヤニヤしている。それに驚いたわけではないが、驚く仕置人達は喫煙室と言うべき場所(実際は縁側かなあ。いずれにしろタバコ吸えるよねえ。)で鉄を問い詰めた。

女の仕置人「念仏さん。あんた一体、どういうつもりなの?」
仕置人「仕置には仕置の相場ってもんがある。そうだろう!」

ボキッ。鉄は頭を少し傾けた後、こう言い放った。

念仏の鉄「俺は1ヶ月殺ししねえと世の中、霞がかかったみたいになっちまうんだあ。」

なに、殺人狂なのか? 一応、山霞にかかってはいる。それに驚いたかどうかは知らないが、呆気に取られる仕置人達に鉄はトドメの一撃(大門豊談)を放った。

念仏の鉄「(右前を指差して)死神見てるぞ。」

実際はどうだったのかは画面ではわからないのだが、兎に角、仕置人は退散したのであった。

なお、今回、鉄の仲間もぶー垂れた(一番後で入ったのに一番うるさい中村主水は「11両で良かったのではないか」とまで言い切っている)のだが鉄のハッタリブラフ攻撃(俺一人でやるだの、分前が増えるだの、腕がなるぜ、など言いまくる)のにやられて結局何らかの形で全員参加。中村主水に至っては殺しは一切しないものの役人としての顔を利用されまくるという、まさに鉄チームの秘密兵器としての役割を遂行させられるのであった。まあ仲良し5人組で遊びに行ったようなものであろう。

なお頼み人は村長の庄屋(名主というと思うのだが劇中ではこう呼ばれている)で最終的には鉄、巳代松、主水の素性を察してしまうのだが「わし一人の胸に収めておこう」と言い、「平家の落人」「600年の」村の掟を守り抜くというかなり深い話なのであった。