フィクションなどから拾う情報処理用語? その138 あまちゃん(ルーティング)

あまちゃん 第1週「おら、この海が好きだ!」第1話(脚本:宮藤官九郎、演出:井上剛 (C) NHK)より

 

天野春子は娘のアキを連れて北三陸市(モデルは岩手県久慈市)の北三陸駅(モデルは久慈駅)の実家に帰ってきた。その時のルーティングすなわち経路は次の通り。

天野夏のナレーション「東京から北三陸へ行くには新幹線とバスを利用するのが一般的です。」

実際、東北新幹線盛岡駅に出てバスを使うと久慈駅に出られるのだが、2人が辿った経路は

天野夏のナレーション「北三陸鉄道を使う場合、仙台で仙石線に乗り換え、石巻石巻線気仙沼線を乗り継ぎ、気仙沼大船渡線に乗り換え、盛で南三陸リアス線に乗り換え、釜石で山田線に乗り換え、宮古で北三陸リアス線、通称北鉄に乗り換えて、要するに、凄くめんどくさい。」

これは当時の在来線をほぼそのままなぞっており、違いは「南三陸リアス線」が三陸鉄道南リアス線、「北三陸リアス線」が三陸鉄道北リアス線である程度のものである。

天野夏のナレーション「だからこそ、地元の人は決まってこう言います。」
菅原保「いやあ、遠いところ、わざわざ。」

さて春子はこう言った。

天野春子「新幹線でも良かったんですけれども、この子(アキ)、三陸初めてだから。」
菅原保「海、きれいだったべ?」
天野春子「山側だったからねえ、海、あんまり見えない。」

実際、当時の三陸鉄道北リアス線リアス式海岸を短絡するためかトンネルが多くて海が見える区間はごく僅かである。というわけで

天野夏のナレーション「そして会話が途切れます。口下手だからではありません。景色以外、取り立てて話題がないのです。」

実はこのナレーションが今後の伏線とも言えることに気がつかぬまま、映像は続くのであったが、この記事はおしまいになるのであった。