折衝(あまちゃん)

あまちゃん 第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」第33話(脚本:宮藤官九郎、演出:吉田照幸 (C) NHK)より

池田一平(野間口徹)が北三陸観光センターに来た日の夜。リアスのカウンターには左から順に大向大吉(杉本哲太)、吉田正義(荒川良々)、足立ヒロシ(小池徹平)、菅原保(吹越満)が来ていた。目的は当然、アキ(のん)を池田の番組に出演させるためである。その異様な雰囲気から何かあると春子(小泉今日子)は察したようだ。注文したものは保がコーヒー、ヒロシもコーヒー、そして大吉はいつもの烏龍茶。正義は何も頼まなかった。

天野春子「なんなのよ。」

正義がアップになったが腹に一物ありそうな感じの顔。大吉はこんな事を言った。

大向大吉「あ、お父さん、元気?」

怪しすぎる言葉に春子は腕組みしながら

天野春子「何か言いたい事があるなら言って。ないなら変な空気出さないでえ。」

と言い放った。カウンターの面々はしばらく無言だったが、正義は我慢しきれなくなって変な事を言ってしまった。それが初めの一歩になったのか

大向大吉「テレビ局の人が来た。アキちゃんとユイちゃんを取材したいそうだ。」

ヒロシが企画書を広げて説明を始めたが春子は

天野春子「いらっしゃいませ。」

ヒロシがガラケーを見ると

足立ヒロシ「スナックタイムだ。」

リアスは梨明日になったのだ。そんなのは瑣末な変化に過ぎないとおもうのだが

天野春子「ご注文は?」

本題に入らせてくれない。仕方なく

菅原保「まだコーヒーを(もらってない)」
天野春子「は?」
菅原保「じゃあ、ビール。」
足立ヒロシ「僕も。」
吉田正義「ウーロンハイ。」
大向大吉「烏龍茶。」

注文されたものを乱暴に出した後、仕方なく春子は企画書をペラペラめくり、大吉が色々と話したが、

天野春子「スタイリスト着くの?」

おや?

天野春子「なに、自前?」

ヒロシが説明した。メイクについても春子が質問したので

大向大吉「やってくれるのか?」

だが

天野春子「聞いただけよ。どの程度の番組なのかなあと思って確認。」

と冷たいもの。この後、いろいろやりとりがあった後、春子は本音を吐露した。

天野春子「あの子(ユイ)見てると辛くなるのよ。昔の自分みたいねって。」

ところが他の4人にはその真意を理解できていなかった。さらに春子はアキが田舎が好きだと言う事も見抜いていた。

天野春子「その辺のずれを北鉄の駅長さんはどう考えているのですか?」

これは非常に大事な質問だったのだが、大吉は春子が満足する答えを考えていなかった。すると

足立ヒロシ「僕がマネージャーになりますから。」

この後もヒロシは説明したが春子は納得しなかった。曰く

天野春子「ちゃんと冷静に判断できる人じゃなきゃダーメ。」

抗弁するヒロシだったが

天野春子「無理よ。あんた、ユイちゃんの兄だし、アキのこと好きじゃん。」

さらにトドメの一撃(大門豊談)と言うべきものが放たれた。

天野春子「(アキには)好きな人がいる。」

種市浩一(福士蒼汰)の存在まで明かされたヒロシは動揺。最終的には呆然とする羽目に陥り、折衝は終わった(?)のであった。

翌日。当然の如く足立ヒロシは仕事もせず(?)に潜水土木科での実習を見るのであった。