滞留(あまちゃん)

あまちゃん 第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」第35話(脚本:宮藤官九郎、演出:吉田照幸 (C) NHK)より

とまあ天野アキ(のん)と足立ユイ(橋本愛)は地域情報番組「5時だべ! わんこチャンネル」に出演した。色々あって面白かったが、次の週末は大向大吉(杉本哲太)の思惑とは違った形になった。なんと北三陸駅は閑散としていたのである、少なくとも最初のうちは。

大向大吉「おかしいなあ。なんで客、来ねえんだ。」
天野春子「(新聞を読みながら)誰も観ていなかったんじゃないの。」

すると何故かその場にいたヒビキ一郎(村杉蝉之介)が相変わらず偉そうに指摘した。

ヒビキ一郎「どうやら逆効果だったようですね。」
天野春子「あ、カルテ。」
ヒビキ一郎「ヒビキです。こないだのテレビ出演でインターネットのファンが離れていった可能性があります。」

なんでも動画のカウンターの伸びが落ちていると言うのだ。だがそこへ菅原保(吹越満)と足立ヒロシ(小池徹平)が血相を変えてやってきた。なんでも

足立ヒロシ「国道のバイパス付近で3キロ渋滞だそうです。」

そう。テレビの宣伝効果はあったのだ。だが

菅原保「岩手ローカルの番組だったから、みんな電車でねえ、車やバスで来るんでねえかな。」

そう。大向大吉の思惑とは違った形になったのだ。さらに大吉の気持ちを逆撫でする事態が発生した。吉田正義(荒川良々)がガラケーで要請を受けていた。

吉田正義「駅長。観光客120人を乗せたバスが渋滞に巻き込まれたんで電車の発車を5分、10分遅らせてくれって。」

それを聞いて大向大吉駅長は決断した。

大向大吉「待ってやろうじゃねえか。第三セクター舐めんなよ。」

結局、その日も北三陸駅に大量の人が押し寄せたのであった。