交渉(あまちゃん)
あまちゃん 第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」第35話(脚本:宮藤官九郎、演出:吉田照幸 (C) NHK)より
ここは北三陸観光センター。天野春子(小泉今日子)は足立功(平泉成)と親としての本音を話し合い、テレビ局「岩手こっちゃこいテレビ」のディレクター池田一平(野間口徹)と会う事を決めた。天野アキ(のん)と足立ユイ(橋本愛)の他、上記以外で観光センターにいたのは次の面々。
- 菅原保(吹越満)
- 栗原しおり(安藤玉恵)
- 足立ヒロシ(小池徹平)
自宅同様、ストーブの前に座っている。 - 足立よしえ(八木亜希子)
スタイリストについて質問したので保は「奥様は元女子プロでしたので」と池田に紹介しかけ、功に「女子アナだよ。」と咎められる。 - 大向大吉(杉本哲太)
功とよしえはユイを応援しようという考えだったが、春子はそうではなかった。まず池田の説明に噛みついた
天野春子「アイドル?」
そして資料を見ながら
天野春子「自宅にもカメラ入るんですねえ。」
さらに
天野春子「危ない輩が家や漁協にも押しかけたりしないかしら? 場所が特定できないように全体にこうモザイクかけるとか。」
大吉が海が見えなくなると言うとさらに
天野春子「学校にもカメラ入るんですねえ。危ない輩が窓ガラス割に来たりしないかしら。」
学校に許可をとってあると池田が言うと
天野春子「海女の衣装は露出が多いんで下にタイツでも履かせないと危ない輩が…」
即座に池田が反論した。
池田一平「危ない輩はこの時間、テレビを観ません!」
池田は興奮していたのか机を叩いてしまった。すると
天野春子「は?」
物凄く険悪な空気になったので池田が説得にかかるのを無視して春子はアキに尋ねた。
天野春子「アキ、本当に大丈夫なの?」
アキは頷いた。
天野春子「どうしても出たいの?」
またアキは頷いた。すると今度は
天野春子「テレビに出ると言う事は危ない輩に素顔を晒すって事なのよ。」
ここまで春子が言い切るのは理由があるのだが、それを全て知っているのはこの時点では恐らく春子のみだっただろう。ここで立ち上がって春子はユイとアキに近づいていく。アキに向けて言っているように聞こえるが実は違う。ユイにも言っているのだ。それは既に春子は功に話していたが…
天野春子「無言電話にピンポンダッシュ。暴走、盗撮、ストーカー行為。黒塗りのワンボックスカー。危ない輩の危ない攻撃に四六時中苦しめられて、一生日陰を歩いていく覚悟があんた達にできているの?」
思わず大吉は止めに入った。さらに
足立功「考えすぎだよ、天野。一回ぐらいテレビに出たぐらいでそんな被害に遭うわけがないだろう。」
足立しずえ「あの、心配なのはわかりますけど、興奮なさらずに。」
これも功(以前は天野春子達の高校での担任でこの時点では県議会議員)としずえ(元女子アナ)の実体験もあっての発言だったのだろう。
菅原保「それにあのう、マネージャー(ヒロシのこと)も復活した事だから。」
天野アキ「ストーブさん…」
栗原しおり「もう、吹っ切れたんだよねえ。」
ストーブの前に座ったまま無言で頷いたのだが
足立功「全然、吹っ切れてないみたいだよねえ。」
春子は鬼の形相で腕組みし、ついに本音を話した。
天野春子「私が心配なのはアキよりもむしろユイちゃんなんです。アキは平気よ。田舎が好きで田舎のために何でもやる子だから。ユイちゃんは違う。いずれ、ここを去るでしょう?」
ユイは頷いた。そう決意しているのだ。実際は…けどね。
天野春子「その時に大人達が快く送り出してくれると思う?」
大吉が止めにかかったが
天野春子「あんたのおかげで観光協会は繁盛してるの。田舎に利用されてるの。わかるでしょう? めんこい、めんこいって煽られて乗せられて背中を押されて都会に行ったら、辛い思いをする、絶対。」
春子がこう言うのは理由があるのだが、それに対するユイの答えは
足立ユイ「お母さんのため?」
よく聞き取れなかったので間違っているかもしれない。思わず春子も聞き返したが
足立ユイ「オラも田舎を利用してた。」
え? 普段は絶対に使わない地元の言葉を使っていた。残念ながら春子の思いはユイには伝わらなかったようだ。この後もユイはなんか言ったが、私は聞き取れなかった。
天野アキ「なんか、開き直ってキャラ変えるそうです。」
ユイは言った。
足立ユイ「訛った方がよければ練習しますが。」
池田一平「危ない輩はこの時間、テレビを観ません!」
足立ユイ「こう見えてもオラ、自分の事さわかっているから。暖かく見守ってけろじゃ。」
春子は驚いた。残りの大人は無邪気に
菅原保「なんかこう、新鮮。」
大向大吉「んだな。ただ訛っているだけでも癒されるなあ。」
といっている。アキも無邪気に喜んだ。
足立功「どうする、天野?」
天野春子「どうするって?」
足立功「うちは応援しようと思う。」
結局、春子は折れてしまい、期限を決める事しかできなくなり、最終的には
天野春子「来年の3月までにしましょう。高2の間は協力を惜しみません。でも、どんなに人気が出ても、どんなに観光客が押し寄せても、3月でやめさせます。わかった?」
それに対して大吉は首を横に振りながら「わかった」と答えたのであった。実際はどうなるのかは今後の映像をお楽しみに。