収賄(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第12話「親切無用」(脚本:松原佳成、監督:高坂光幸 (C) 松竹)より

中村主水が飼犬のコロを南町奉行所の前で散歩させていると、ある男(大木実)が人相書きらしきものを落とした。

中村主水「この男、塩味噌問屋 鳴門屋が人夫に使っている。」

さて鳴門屋の主人利吉(大竹修造)はお米(村田知榮子)が里子で育てていた子供三吉(岡本崇)を養子に迎えていた。お米は子供を里子として何人も育てては色々なところに養子に出していた。これは今後の伏線なのだが、この記事ではここしか絡まない。正八の絵草紙屋の前で正八と巳代松がお米の里子のイタズラにあって一騒動もふた騒動もあった後、三吉は鳴門屋に貰われていった。それと入れ替わるようにやってきた主水は正八に鳴門屋を呼び出して欲しいと頼んだ。そして例の人相書きを見せた。

鳴門屋「とんでもございません。こんな恐ろしいことをどうして私が。」
中村主水「覚えがねえか?」
鳴門屋「はい。」
中村主水「もしこの男がおめえの店にいたとしたら、おめえは打首獄門、罪もねえ女房、子供は遠島って事になるぜ。」
鳴門屋「私は雇った覚えはございません。」

そして主水は本題に入った。

中村主水「俺もなあ、いちいち、そんなことで面倒を起こしたくはねえからなあ。もし、この男が店にいたら、誰にも知られねえように、どっか追い出してしまえ。」

そして主水は代わりにお金を要求。鳴門屋は五両を渡した。鳴門屋が帰った後、金を数える主水のところに手がのびた。

中村主水「なんだ、お前。」
正八「顔見せて五両ってボロいねえ。」

仕方なく主水は一両渡した。

中村主水「誰にも言うなよ。」
正八「言わないよ。」

これが主水の災難の始まりであった。