待ち行列(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第9話 「悪縁無用」(脚本:保利吉紀、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

正八の絵草紙屋で芸者のおりく(佳那晃子)の錦絵が売れに売れていた。買いに集まる群衆の中には巳代松もいた。そして

中村主水「おい、絵草紙屋。いかがわしい絵じゃねえだろうなあ。」
正八「みりゃ、わかんじゃないのよ。」
中村主水「馴れ馴れしい口きくな。」

主水は巳代松の頭を軽く叩いた。

正八「お役目ご苦労様でございます。」
中村主水「最近、危ない絵を流す版元がいるから店では絶対に売らねえようにしろ。」

だがそれは建前。群がる群衆を整理してやると言った主水は「手間賃」代わりに例の錦絵を持っていってしまった。そして主水が群衆を整列させて待ち行列を作らせると、そこにせんとりつが通りかかり、婿殿の仕事ぶりに感心した。点数稼ぎになったかと思いきや

正八「みなさーん。八丁堀の中村主水さんが夢にまでみたというおりく姐さんの錦絵。あの人も隅に置けないね。奥さんが可哀想。」

当然

中村りつ「あなた。これが奉行所のお仕事ですか。」

仕方なく

中村主水「あんまり混雑してたんで整理してただけなんですよ。じゃ、勤めがありますから。」

正八の宣伝文句が続く。

正八「八丁堀も好きなんだよ、あの人はあ、色々。」

結局、錦絵は完売するのであった。