過去事例(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第14話「男狩無用」(脚本:安倍徹郎、監督:渡邊祐介 (C) 松竹)より

中村主水はかね(志乃原良子)の頼みで大垣藩戸田家の屋敷を調べる羽目に陥った。かねの亭主が連れ込まれてから十日も帰って来ないのだという。下屋敷を見張っていると小夜(渡辺とく子)と志乃(戸部夕子)が出ていくところに出会した。尾行すると心行寺という中に入って行った。そして旅愁をアレンジした曲が流れる中、縁側を歩くのは妙心尼(三島ゆり子)。

中村主水「あれ?」

ということは?

妙心尼「(村雨の大吉を相手に)なりませぬ。」

という最中の白黒写真が映った後、妙心尼は小夜と志乃のためにお経をあげた。

妙心尼「人は皆、罪深き者。ましてや女の身の業の深さは計り知れないものでございます。ただ一切の煩悩を仏にお預けすることによって、あたくしも救われてまいりました。念仏三昧。どうぞ、御仏にお祈りください。」

と偉そうに言った後、別室に入ると男がいた。

妙心尼「あーん、帰らないで。」

もしや。客がいたんじゃ仕方がないと言って帰ろうとする男に

妙心尼「拗ねたりして。可愛い人。あ、あーん。なりませぬ。」

それを観て

中村主水「昔とまるっきりかわりがないな。進歩の後がまるでない。」

と偉そうにほざくのであった。なお、この部分は取り用によっては後の展開の伏線とも言えるのだが、妙心尼が登場するのはここだけなのである。

よく考えると時代は『暗闇仕留人』の方が『新・必殺仕置人』より後なのだが、あくまでも制作順で考えているのは明らかなのである。