パケットフィルタリング(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第36話「自害無用」(脚本:疋田哲夫志村正浩、監督:工藤栄一 (C) 松竹)より

さて南町奉行所。念仏の鉄が「あの昼行灯に何ができる」と期待していなかった中村主水も仕置人が動き出したという情報を福原九一郎(新田昌玄)や鏡文十郎(大林丈史)の訓示で聞かされていた。福原が(あの粂次(伍代参平)と「密通した」ため)離縁した妻志乃(荒砂ゆき)を狙っているというのだ。否応なく、昼夜を分たず下谷にある志乃の屋敷を南町奉行所同心が見張ることになったのである。

さて志乃は書状を認めた。鏡と福原の密談を聞き、「不義密通」が仕置人を捉えるための罠だと聞いてしまったからである。そして出かけるのを中村主水が目撃し、後をつけた。

志乃の声「あなたは驚き信じてはもらえぬ事かもしれませんが、私は十七年前、あなたと粂次を捨てた母親です。鬼のような母なのです。このような母をあなたは許してはくれないでしょうね。ただこれだけは信じてください。私が粂次を誘惑したのではありません。もちろん、粂次が不義を仕掛けたのではありません。夫が自らの出世のために鏡と策謀し、粂次を陥れ、死へ追いやってしまったのです。愚かな母を許してください。志乃。糸さんへ。」

志乃はお糸の住む長屋の戸に書状を差し込んだのだが、主水が素早くそれを抜き取った。

そして地下室。

念仏の鉄「ちっきしょう。ふふふふ。何もかも全部福原と鏡の企みだったのか。」
中村主水「しかも俺達を誘き出すためにやりやがったことだ。」
正八「じゃ、粂次、そのためだけに殺されたの?」
巳代松「くっそー。ひでえ事しやがる。俺はやるぜ。誰が止めたってやるぜ。」
念仏の鉄「誰も止めやしねえよ。」

興奮冷めやらぬ巳代松と鉄だったが

正八「ねえ、鉄さん、これ、寅の会、通さないでやるの?」

皆、無言。なお、この場におていはいない。

正八「俺やだよ、そんなのおっかねえ。やだよ、殺されるの。」

しかし他の皆はやる気満々。殺しの分担は

  • 鏡文十郎:念仏の鉄&巳代松
  • 福原九一郎:中村主水

となり、虎は事後承諾し、志乃は事後、粂次の墓の前で自害して果てるのであった。