熱暴走(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第29話「良縁無用」(脚本:松原佳成、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

念仏の鉄は唐津屋半兵ヱ(浜田寅彦)の娘のお京(佳那晃子)に惚れてしまった。今回はこのネタで突き進む話なのだがこちらも結構ネタが拾えてさあ大変。それは兎に角、ウキウキしまくり唐津屋に日参していた。ついには、赤褌一丁で屋根の上の男(マキ)と一緒に屋根の上…というか、正確には屋根と屋根の間に渡した板だか太い角材だかの上に並んで座り出してしまった。そして言った。

念仏の鉄「なるほどなあ。こうやって高いところから下界を眺めるってのは気持ちのいいもんだなあ。お前(屋根の上の男)の気持ちはよくわかるよ。」

そして『必殺仕置屋稼業』で中村主水がお初の飯屋に通う時にかかる曲が流れて鉄の夢が描かれた。鉄はお京と一緒にブランコに乗っていた。アニメ『アルプスの少女ハイジ』のようなブランコである。笑うお京。だが夢の中での鉄は赤褌一丁。

しばらく夢想していると下界(?)に巳代松と正八がやってきた。正八が鍋をたくさん集めて来たのだが

巳代松「馬鹿野郎。物には限度というものがあるんだよ。なんでもかんでも集めて来やがって。俺一人で仕事ができると思ってるのかよ。」

そう言いたくなるくらい、正八は鍋を集めて来たのだ。すると

念仏の鉄「うるせえなあ。人の恋路の邪魔する奴は。」
屋根の上の男「馬に蹴られて死んじまえ。」
念仏の鉄「死んじまえ。」

それを見て呆れ返った巳代松と正八は

巳代松「とうとうあいつまで頭に来やがった。」
正八「おっさん、今日、何の日だか、わかってんの?」

と言った。すると

念仏の鉄「わかってる、わかってる。」

本当かねえ。ちなみにこの日は寅の日。と言うわけで

正八「かわいそうに。」
巳代松「この調子じゃ当分仕事は降りてこねえよ。正ちゃん、それけえさなくていいよ。やるやる。」

本業に精出す事を巳代松は決めたのであった。