無収入 その2(新・必殺仕置人)
新・必殺仕置人 第36話「自害無用」(脚本:疋田哲夫と志村正浩、監督:工藤栄一 (C) 松竹)より
町方の仕置人探索が厳しくなっていた。死神が一人殺したが、寅の会で吉蔵が虎に耳打ちした。
吉蔵「町方の手が入りました。」
なんと鉄の隣にいたものが死神によって殺された。
虎「この男は町方に目をつけられている。皆も十分に身辺に警戒をしていただきたい。なお、これを機会に寅の会もしばらく休ませてもらう。」
ガーン!
念仏の鉄は身辺に注意しながら観音長屋に戻った。まず入ったのは巳代松のところ。
巳代松「待ってましたよ。」
だが鉄は物々しく戸を閉めてつっかい棒までして外から開けられないようにした。
巳代松「どうしたんだい?」
念仏の鉄「声がでかい。」
そして言った。
念仏の鉄「町方が動き出したんだ。当分、寅の会中止だ。」
当然
巳代松「冗談じゃねえよ。じゃ、俺達、どうやって食ってったらいいんだよ。」
鉄の答えは
念仏の鉄「知るかい。精々、本業に精出すんだな。」
すると何故か鉄は一生懸命吹子を動かし始めた。
巳代松「お、おい。いいよ。今更よ、そんな事言われたって殺生だよ、おめえ。」
念仏の鉄「しょうがねえじゃねえか。命あっての物種だろう。当分大人しくしてろよ。いいな。」
さて次の場面は正八の絵草紙屋。正八がくだらない絵草紙(その内容は話の伏線になっているのだが割愛)を読んでいたのだが、やってきたおていが店を閉めて、こう告げた。
おてい「ねえ。あっちの方の仕事は当分休みらしいよ。」
正八「なんだ、それ。」
おてい「鉄さんに聞いた話なんだけどね、寅の会はしばらく開かれないんだって。」
これに憤る正八。
正八「なーんだよ、そんなの無茶苦茶じゃないか、人の生活考えないで。」
おてい「ねえ。全くしょうがないよ。あたし、本職で稼ぐっちゃしょうがないじゃない。さあ、がんばろう。」
おていは立ち去ろうとしたのだが
正八「ねえ、おてい、俺、お前の本職手伝う。」
と追いかけるのであった。
ところで中村主水には伝えなくて良いのかねえ。