同値(あまちゃん)

あまちゃん 第18週「おら、地元に帰ろう!?」第103話(脚本:宮藤官九郎、演出:井上剛 (C) NHK)より

天野アキ(のん)からアキが事務所を解雇されたと聞いた天野春子(小泉今日子)は上京し、無頼鮨にやってきた。無頼鮨では付き人も辞めるというアキのために鈴鹿ひろみ(薬師丸ひろ子)がささやかな送別会を開いていて、アキの他、水口(松田龍平)もいたのだが春子の出現にアキも水口も(おそらく種市(福士蒼汰)も)驚き、春子の剣幕に恐れ慄いた水口はカウンターに避難してしまった。そして鈴鹿ひろみ、春子、アキが話をしていた。なお鈴鹿と梅頭(ピエール瀧)は春子とは初対面である。さて鈴鹿がこんな指摘をした。

鈴鹿ひろみ「(春子の声が)素敵な声だわ。」
天野春子「え?」
鈴鹿ひろみ「歌手、目指してらっしゃったんでしょ。」

春子がアキを睨んだのでアキは春子にビールを注ぐのを引っ込めた。しかも鈴鹿の言葉には続きがあった。

鈴鹿ひろみ「あたしと似てる気がする、声が。天野(アキ)さん、似てるわよねえ。」
天野春子「似てませんよ。」
鈴鹿ひろみ「似てるわよ。」
天野春子「似てないと思いますけど。」
鈴鹿ひろみ「あれじゃない、自分の声とほら、自分じゃ違って聞こえるじゃない。客観的に聞いたら、似てるわよ、ねえ、大将。」

ちなみに無頼鮨にいる人で真相(天野春子が代役を務めた)を知っているのは天野春子、天野アキ、水口琢磨の3人だけ。梅頭は例の如く愛想笑いをする…と思ったら、そうではなくて、両手を広げて「わからない」のポーズをした。

鈴鹿ひろみ「なにそれ、デ・ニーロのつもり。腹立つ。」
天野春子「何の話、してたんでしたっけ?」
鈴鹿ひろみ「録音したらわかるわよ。似てるわよ、きっと。」

ここで春子は話題を変えてアキにこう言った。

天野春子「どうなの、アキ、ちゃんとやってるの?」

だが

鈴鹿ひろみ「『ちゃんとやってるの?』」

アキと春子は思わず鈴鹿ひろみの方を向いてしまった。

鈴鹿ひろみ「そっくり。」

大笑いする鈴鹿ひろみであったが、それとは対照的に困った顔をするアキ(と春子?)であった。