フィクションなどから拾う情報処理用語? その90 なりすまし(仮面ライダーBLACK RX)

仮面ライダーBLACK RX 第45話「偽ライダーの末路」(脚本:江連卓、監督:蓑輪雅夫、アクション監督:村上潤 (C) 石森プロ、東映)より

 

ようやく終わりが見えてきたかなあと思った途端にまたもネタが拾えてしまった。しかも、これまたよくみたなりすまし。まあ有名な場面だから仕方がないけど、せめてクライシスライダーくらい…いえ、それだと模倣品になるのかな。まあ、なんと言ったら良いのでしょうか。メガロマンでシン(敢えてこう書きましょう)を務めた村上潤さんが単独でアクション監督を務めたり、10人ライダーの仮面ライダー1号が岡元次郎さんで他の皆さんも岡元次郎さんと同期の人や彼より若い(正確には入団が後というべきかな。色々調べて余計なことまで気がついてしまいました)人が入るのも知ってしまったし、蓑輪雅夫監督が3話持ちで助監督に岩原直樹さんが着いたりと制作側に力が入っていることが否応なくわかってしまったので、「まあ多少のことがあっても割り切ろうかな、仮面ライダーだし」という答えも得られたのだが、それでも取り上げざるを得ないのが、このネタもとい場面なのだ。なにしろシンの岡元次郎さんが演じた仮面ライダー1号が絡んでいるのだから。

というわけで本題。南光太郎が生死不明(後で生きていたと判明するのだけどね)で皆が悲嘆に暮れるという感動的な場面を泣く泣くカットし、何故か(かなり失礼な表現だが結構活躍するので実はこの人も戦士ではないのかなあと思ったりするのだが)戦場に吾郎もいた。

吾郎「あ、みんな帰ってきた。」

その言葉通り、10人ライダーが帰ってきた。市川森一が谷源次郎もとい加藤勝一郎隊長に言わせたセリフではないが、本当に10人まとめて帰ってくるのである。うーむ。ま、いっか。割り切って次へ進もう。この切り方も酷いと言われるかもしれないけど、割り切ることにしたから仕方がない。さて

仮面ライダー1号「町の人達は大方避難した。いよいよ奴らとの全面戦争が始まるぞ。」

続けて仮面ライダー2号(まあ南紀に登場する新2号を意識したのだろう)はこう言った。

仮面ライダー2号「作戦会議だ。ジョー! 君達も参加してくれ。」

まあこの流れも自然だろう。ただ人数が多すぎ…まあ先へ進もう。

霞のジョー「うん!」

そりゃ興奮するだろう。10人ライダーだよ。あれ? 先輩ライダーって言っていなかったっけ? まあ、置いておこう。今までもダブルライダーやら3人ライダーやら5人ライダーやら7人ライダーやら8人ライダーやら9人ライダー(映画のみ)やら10人ライダー(特番とRXのみ)やらいたのだから。気がつけば数が増えていたねえ。最初は1人だったはずなのになあ、ま、いっか。さあ、ここからが本題だ。作戦会議を行なうためには何某かの書類が要るよねえ。それを用意したのは実は

吾郎「依頼されていた、被災状況の地図です。良い作戦立ててくださいね。世の為、人の為、頑張ってください。ライダーの皆さんが頼りなんです。お願いします。お願いします。」

と小野寺丈さんもとい吾郎が力を込めて1枚1枚手渡した(ここ重要)。そして10人ライダー(ここ重要)に渡した後、的場響子、白鳥玲子の順(そういう序列なのでしょう、多分、やはりそうなのか、うーむ)に渡した後、何かに気がついた者がいる。

吾郎「あれ?」

霞のジョー「ん!」

吾郎「おかしいなあ。確か人数分13枚作ったはずなんだけど。」

やはりこの人が気がつくのねえ。そのためにわざわざ来るのねえ。まあそれは置いといて

霞のジョー「なんだよ、俺のは?」

ジョーはまだ気がついていないらしい。しばらく小芝居が続いた後、吾郎はジョーを連れて二人で話し合いを始めた。

吾郎「ジョーさん、先輩ライダーって確か10人だったはずだよねえ。」

鋭い! まあ厳密には仮面ライダーBLACKを入れると11人らしいのだが、そんなのはここでは瑣末な指摘に過ぎない。でまだジョーは気がついていない。

霞のジョー「(吾郎の頭を叩きながら)当たり前だろ、それがどうした。」

そりゃそうだ。だが

吾郎「それが変なんだよ。どう数えても11人いるんだ!」

おお。鋭い。仮面ライダーBLACKを勘定すれば…というわけではもちろんない。

霞のジョー「んなバカな!」

そういえば霞のジョーは吾郎のいる食堂で働いていたこともあったねえ。そういえばもう一人…というのはもちろん問題ではない。吾郎とジョーは2人して数えたがある事に気がついた。カメラマンもしっかり仕事をしてますよ。もちろん、白鳥玲子ではないけどね。

霞のジョー「変だなあ。1号ライダーが二人いる。」

吾郎「でしょう。」

ということは吾郎も気づいていたということだ。というわけで

吾郎「1号ライダーが2人いる。どっちかが偽者だ。どっちが偽者なんだ。」

セリフしか書いていませんが、吾郎は駆け寄ったり、顔を動かしたりしている。当然、他の人も気がついた。白鳥玲子はジーンズでした。結構色々着替えてますなあ。そんなことはこの場面では重要ではないけどね。

霞のジョー「本物の1号ライダーはどっちだ?」

吾郎「どっちなんだ?」

小野寺丈さんも芝居が上手だと思うこの場面、意外と長かった割に本物と偽者のタイマン勝負であっさり片がついた。本物のパンチを受けて、あっさり正体を現したからである。ちなみに本物は白鳥玲子や的場響子の方にいたのである。

さてネタとしてはここで終わりなのだが、実は吾郎はさらに活躍を見せる。まあフライパンで殴るという小ネタ(にしておこう。これも村上潤さんが考案したのだろう。)もあるが、もっと本質的なところに気づき、それを手掛かりに仮面ライダーBLACK RXが(書いちゃった)勝利するのである。うーむ。結局

の域を脱していないような気がしてしまうのだが、ま、いっか。仮面ライダーなんだしね。とここから先の話を見るためのヒントも何となく得られたところでこの記事を締めましょう。やはり「仮面ライダーはストロンガーで終わった」というのをしっかり観てしまった世代はこうせざるを得ませんよねえ。仮面ライダーBLACK RXを楽しんだであろう、当時のお子様は、そんなこと気にしませんよねえ。私はやっと向き合えるようになったんです。思わぬ収穫でした。