フィクションなどから拾う情報処理用語 その35 再利用 (必殺仕掛人と必殺仕事人)

池波正太郎の作品「おんなごろし」を原作にした必殺仕掛人第23話 「おんな殺し」(脚本:山田隆之、監督:松本明、山内久司プロデューサー担当 (C) 松竹)で藤枝梅安は美乃(加賀まりこ)が生き別れた実の妹であることを察するが、ぶっ殺した。そして標的が自分の妹だったことを音羽屋半右衛門に告げた。そしてそれから時が流れて(無印の)必殺仕事人 第21話 「子隠しで昔の恨みを晴らすのか?」(脚本:松田司、監督:田中徳三山内久司プロデューサー担当 (C) 松竹)ではおとわ(山田五十鈴)が花川染次(清水郁子)が生き別れた自分の妹である事を悟りながら自らぶっ殺す。あれ、偶然にも「おとわ」繋がりだあ、というのはもちろんこの記事のテーマではない。

実は松田司というのは山内久司プロデューサーのペンネーム。山内久司プロデューサーは亡くなっているので真偽を訊くことはできないのだが、山内久司プロデューサーは必殺仕事人 第21話 「子隠しで昔の恨みを晴らすのか?」(脚本:松田司、監督:田中徳三山内久司プロデューサー担当)を書く時に必殺仕掛人第23話 「おんな殺し」(脚本:山田隆之、監督:松本明、山内久司プロデューサー担当)を参考にした可能性が高い。その再利用疑惑を池波正太郎さんがどう思っていたかについては残念ながらこれまた訊くことはもうできないのであーる。

ただ大きな違いは藤枝梅安がその後も仕掛人を続けたのに対し、おとわは元締だったにも関わらず、「少々仕事が嫌になりました」と旅に出てしまう事であーる。これはおとわを演じる山田五十鈴さんのスケジュール問題が絡んでいたからであるが、後におりく(これも山田五十鈴)登場により、事態はさらにややこしくなるのだ。困ったねえ(何が?)。