フィクションなどから拾う情報処理用語? その180 インシデント(あまちゃん)

あまちゃん 第3週「おら、友だちができた!」第14話(脚本:宮藤官九郎、演出:吉田照幸 (C) NHK)より

他にも色々とネタが拾えるのだがキリがないので重要なものを一つあげよう。時間があれば更に取り上げるかもしれないけれど。

さて本題。色々あって焦った天野アキ(のん)は勝手に潜り、「家から外へ」出てしまった。潮の流れが急だからそう言われていたのだが、その恐ろしさを身をもって体験する日が来てしまった。なんと昆布が足に絡まってしまったのだ。さあ大変。

天野夏のナレーション「初めての経験でした。すっかり体の自由を奪われ、浮き上がることすらできません。」

この異変に気がついた、というか、気がつくきっかけになったのは、天野アキが仕事を終わる時間を報せる音楽が流れているのが聞こえてきたから。防災無線が流すのだろう。天野夏(宮本信子)は尋ねた。

天野夏「アキは?」

長内かつ枝(木野花)ら海女の皆さんもアキの不在に気がついて探してみたら

天野夏「あそこだ!」

確かに空気が中から噴き出しているのが見えた。咄嗟に熊谷美寿々(美保純)が飛び込んでそこへ向かって泳ぎ、アキを救出。とりあえず応急処置は済んだ。

さて事後に海女クラブの事務所に天野春子(小泉今日子)が報せを聞いて駆けつけた。事態の重要さを把握しきれてないアキはこう言った。

天野アキ「足に昆布が絡まっただけ。」

だがそれを海女クラブ会長でもある天野夏は聴き逃さなかった。

天野夏「笑い事でねえだ。」

この場には長内六郎(でんでん)もいたのが重要な伏線かもしれないが、兎に角、この一喝に皆黙りこくってしまった。

天野夏「アキ、今、なんて言った? 4時になったらあがるって、約束したべ。」

アキはこう言う他なかった。

天野アキ「ごめんなさい。」

だが

天野アキ「でも、美寿々さんも一緒だったから…」
天野夏「言い訳するでねえ。なんぼ美寿々でも波さ飲まれたら助けられんぞ。しかもおめえ、入江の外さ出たなあ。」
天野アキ「だって、あっちの方がウニもいっぺえいるし…」

よほど興奮したのか天野夏はアキの近くまで寄っていた。

天野夏「危ねえからおら達も滅多に行かねえんだ。だからウニがいっぺえいるんだ。おめえみてえなあまちゃんには100年早えよ。」

今野弥生(渡辺えり)も含めた皆もとりなしたのだが天野夏は天野アキに「出入り禁止」まで言い渡した。それには理由があるのだが、それを視聴者や天野春子や天野アキが知るのはもっと先なのであろう。