フィクションなどから拾う情報処理用語? その181 贈賄(暗闇仕留人)
暗闇仕留人 第4話「仕留て候」(脚本:村尾昭、監督:松本明 (C) 松竹)より
以前、収賄の記事を書いた。
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さて北町奉行所では休職者を選抜するという話が出ていた。50名のうち10名を選抜するのだそうな。居た堪れなくなった中村主水は厠へ行ったのだが、既に誰かが入っていた。我慢して待てばいいのにイライラしていた中村主水はこんなことまで言い出してしまった。
中村主水「御奉行所の心得としてだなあ、長糞、長飯、長風呂は固く戒められているところだぞ。誰だ、のんびりした奴は、バカ、早く出ろ。」
良いのかねえ、こんなことを言って、と視聴者が思ったその時に出てきたのはなんと
中村主水「お、御奉行様。」
中村主水「は、は。」
とまで言った。さて御奉行様との凶悪な会話は次の通り。
稲部山城守「今、奉行所の心得を何とかもうしておったな」
中村主水「存ぜぬ事とは申せ、平に、平にお許しを。」
稲部山城守「いや、勘違い致すな。奉行所の心得を常に信条とする心構え、なかなか見どころがあるぞ。」
中村主水は手を洗う御奉行様に柄杓で水をかけてあげた。
中村主水は手拭いを懐から出して手を拭いてあげたばかりにダメ押しとばかりに
御奉行様はこう言った。
稲部山城守「いや、迷惑をかけたな。」
そして去って行く御奉行様を見送る主水は爽やかな気分で厠へ入ったのだが、厠から出ると、そこへ同僚の庄内三郎兵衛(加東大介)がやってきた。休職処分の結果が出て
庄内三郎兵衛「私はどうやら首が繋がりました。と言っても定年まであと僅かですが。」
と言うことは、「中村主水」と休職処分者にしっかりと掲げられていたと言うことだ。泡を食う主水は自宅へ戻った。
さて主水はりつと一緒に札差へ。金策しに言ったのだ。その金額は
中村りつ「扶持米の1年分で32両5分です。」
中村せん「32両5分。はあ(溜息)。そのうち30両を与力の諸岡様(小林勝彦)にお使い物にするとして、この1年、私たちは粟でも食べていかねばなりませんねえ。」
中村りつ「そう言うことに。」
中村せん「それと言うのも一重に頼りない婿殿のお陰。りつ、その30両をその菓子折に速く包んで一刻も早く諸岡様のところへお会いせねば。」
なお、婿殿は廊下で正座したままである。その後のやり取りは長くなるので取り敢えず端折って、この贈賄が功を奏して中村主水の休職は取り上げられ、庄内三郎兵衛が代わりに休職となったのであった。