フィクションなどから拾う情報処理用語? その191 命名?(あまちゃん)

あまちゃん 第3週「おら、友だちができた!」第16話(脚本:宮藤官九郎、演出:吉田照幸 (C) NHK)より

さて天野アキ(のん)は友達の足立ユイ(橋本愛)の家へ遊びに行った。そこで会ったのはユイの父で天野春子(小泉今日子)の高校時代の担任でもあり地元の名士の足立功(平泉成)と彼の妻の足立よしえ(八木亜希子)。さてアキにとっては和やかに時は流れて夕食まで振舞われた。そこでアキは薪ストーブがあるのに気がつき、無邪気にこう訊いた。

天野アキ「(薪ストーブを指差して)あれ、なんですか?」

すると

足立功「え! ああ、あれは、薪ストーブ。」
足立ユイ「この辺、寒いんだよ。5月でも雪降るんだから。」
天野アキ「ジェジェジェ。」
足立よしえ「(食事を運びながら)結局、1年の半分以上、使うから置きっぱなしにしているの。」

実は足立家は北三陸駅から離れた袖が浜よりも更に離れた畑野駅(ロケ地は田野畑村にある田野畑駅)のそばにあるので寒いのだ。そして美味しい食事を楽しく食べていたアキ達だったが、そこへあの男が帰ってきた。

足立ユイ「あ、お兄ちゃん。」

だが足立ヒロシ(小池徹平)は無言で薪ストーブへ向かった。

足立功「黙って通り過ぎるのか。ちゃんと挨拶ぐらいしなさい。」

一応、ヒロシに挨拶するアキだったがヒロシは黙ってアキの方を向いたまま。

足立よしえ「ご飯食べるでしょう。座って。」
足立ヒロシ「(即座に微動だにせず)要らない。食ってきた。」

なんとヒロシはそういうとストーブの前に座ってしまった。

足立ユイ「あそこ、お兄ちゃんの定位置。」

驚くアキ。

足立ユイ「御飯はあそこで食べるんだよ。」

ストーブの前に座るヒロシはガラケー(当時は携帯電話と呼ばれていた)をいじり始めた。すると

足立功「外で済ませてくるならなあ、電話ぐらい入れたらどうだ。」
足立ユイ「お父さん。」
足立功「(ユイの嗜めも聞かずに)みんな待ってたんだぞ。」
足立ユイ「やめてよ、友達来てるんだから。」

だが功の怒りは収まらず功とヒロシの口論が始まってしまった。

足立功「仕事しないのならうちから出ないでもらいたいな。」

流石にアキはとりなそうと思ったのだろう。

天野アキ「仕事、してますよね。」

ヒロシも功もアキの方を向いたがアキは2人の真意も気付かず

天野アキ「漁協の監視小屋で密漁船とか見張ってるんです。私が海に溺れた時にサイレン鳴らしてくれたんですよね。その節はありがとうございました。」

ところが、それは既に過去の話だったし、功やユイの預かり知らぬ事だったので、さあ大変。火に油を注ぐ形になってしまった。困惑するアキだったが

天野ユイ「気にしないで。いつもの事だから。」

ユイは流して、ヒロシのアルバイトを知っていたらしいよしえもアキに食事を振る舞ったのだが、功はトドメの一撃(大門豊談)を放ってしまった。

足立功「お父さん、言ったよなあ、3月に。そんなストーブのそばから離れられないような奴は東京で続くわけがないって。言った通りになったなあ、2ヶ月で帰ってきやがって。」

ヒロシは反論。

足立ヒロシ「2ヶ月半だよ。」

だがそんなのはどうでもいいこと。

足立功「うるさい。威張るな。ストーブのくせに。アキちゃんねえ、あいつ、ストーブなんですよ。ストーブだけが友達。」

愛想笑いしたアキによしえが出したのはサーロインステーキであった。