復職(あまちゃん)

あまちゃん 第3週「おら、友だちができた!」第18話(脚本:宮藤官九郎、演出:吉田照幸 (C) NHK)より

さて足立ユイ(橋本愛)に動きがあったが、このドラマの主人公は天野アキ(のん)。この話でアキは一大決心をした。海女クラブの面々が戻ると、そこにはアキと春子(小泉今日子)がいた。あの服を着ている。勝負服のようなものであろう。

天野アキ「夏バッパ。やっぱ、おら潜りてえ。海さ潜ってウニ獲りてえ。このまま海女やめたくねえ。だから、また教えてください。」

土下座するアキに対する夏の反応は冷たいものだった。それには理由があるのだ。海を舐めている、絶対溺れないから、と言うやりとりがあった後、理由が語られ始めた。まず一つ目は

天野夏「おめえは海女であるめえにオラの大事な孫だ。死なれたら困る。」

そして二つ目は

長内かつ枝(木野花)「もし、オラに気つかっているのなら、余計なお世話だぞ、夏バッパ。」

奥にいた長内六郎(でんでん)も出てきた。春子は知らなかった。

天野春子「え、なに? なんでかつ枝さんに気使うの?」

すると父と母は話し始めた。

長内六郎「あ、そうか。春ちゃん、知らねえんだな。」
長内かつ枝「オラの倅も波に飲まれたのさ。」

驚く春子。初耳だったのだ。

天野春子「克也君(小林優斗)が? いつの話?」
長内かつ枝「もう16年前か?」

六郎が指差した先には遺影があった。地引き網の漁師であったが、1992年、沖に流された女の子のサンダルを取りに行こうとし、波にのまれて19歳の若さでこの世を去ったのだ。

長内かつ枝「いやいやいや。オラ達、もうほとんど忘れて暮らしてるんだから。」

と言うわけで

天野夏「いいが、アキ。(振り返って)おめえがウニ1個とれてもとれなくても、たった500円の違いしかない。たった500円のためにおめえ、危うく命を落とすところだったんだぞう。」

今度は心底、アキは謝った。

天野夏「たった500円と引き換えに命を奪うのが海だ。あまぐみるんでねえ!」

またもアキは心底謝った。

天野夏「残された人間(かつ枝と六郎)の辛さ、考えろ。」

アキは無言。理解したようだ。

天野夏「先輩達の言うこと聞くか?」
天野アキ「はい。」
天野夏「家の外さ出ねえか?」
天野アキ「はい。」

かくしてアキは復職したのであった。ただし、ウニ1つ、今シーズンとれる事が今後の条件。果たしてアキの謹慎は解けたのだが、あまちゃんから海女さんになれるのかが、今後の見どころになるのかな。