規約(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第5話 「王手無用」(脚本:安倍徹郎、監督:工藤栄一 (C) 松竹)より

ここは将軍家御指南の伊藤宗看(伊藤果)の屋敷。中村主水は目明し 金次(小島三児)などを使って将棋会所などを調べさせたが手がかりが得られず、仕方なく寺社方を通じて伊藤宗看に当たらざるを得なくなっていた。待っていた主水が観たものは何と虎の姿。伊藤宗看と会っていた。でも主水は何故虎の顔を知っているのかねえ(棒)。

当然、主水は用事が一応済んだ後、鉄のところへ直行。

念仏の鉄「(とぼけて)虎だ?」
中村主水「将棋所に虎が来てたんだ。これはいってえどういうことなんだ。」
念仏の鉄「(なおもとぼけて)知らねえなあ。」

怒った主水は寝転んでキセルを咥えていた鉄の枕を蹴飛ばした。

念仏の鉄「いやいや、(起き上がって立ち上がって奥へ逃げながら)本当に知らねえんだよ。だって虎が将棋を指すなんて両国の見せ物でも観た事がない。」

主水は鉄の胸ぐらを掴んで詰め寄ったが

念仏の鉄「虎がどこでどんな暮らしをしてるかは死神しか知らねえんだ。いや、それを探ろうとして殺された奴は俺も知ってるがな。」

主水はやっと手を放した。

念仏の鉄「(這いずりながら)なあ、八丁堀。おめえ、早くこの一件から足抜け。奉行所の手柄なんていつだって。」

だが

中村主水「そうはいかねえや。町回りには町回りの縄張りってもんがあるんだ。俺の縄張りで事が起きた以上、うちゃって置くわけにはいかねえやな。(話題を変えて)俺、外しやがったな、てめえ。」

この直球勝負に

念仏の鉄「ああ、外した。」
中村主水「何故だ、何故外した?」
念仏の鉄「それを話したら掟破りだ。おめえも俺も殺されるぜ。」

中村主水の問いはこの時ははぐらかされてしまったが、このまま黙って見ている主水ではない。この後の展開も見ものなのである。