スケープゴート(必殺仕置人)

必殺仕置人 第1話「いのちを売ってさらし首」(脚本:野上龍雄、監督:貞永方久 (C) 松竹)より

大雨が降る中

松造(大滝秀治)「おらじゃねえ。」

刑場で松造はやたらと泣き叫んでいた。

松造「助けてくれえ。」

さてその罪状は

ナレーション「闇の御前こと無宿刺青長次郎。その方義、自らを闇の御前と名乗り、不貞無頼の徒を集めて、その首領となり、室町3丁目伊勢屋十兵衛方をはじめ朝家大店を含めて36ヶ所。あるいは大戸を打ち壊し、あるいは塀を乗り越えて押し込み、多額の金品を強奪せし上に女子をも殺傷。酒色遊興、あるいは博打場に持参し使い候始末、重々不届至極にてよってここに死罪申付候ものなり。」

刑場には松造を召し取った的場弥平次(近藤宏)も居合わせた。お裁きは北町奉行 牧野備中守(菅貫太郎)によるものであろう。なおも松造は泣き喚いていたのだが、バッサリと首を刎ねられ

お咲(今出川西紀)「お父。」

さらし首となってしまった。絶句する娘のお咲は叫んだ。

お咲「お父!」

この後、お咲は命を狙われ、色々あって観音長屋に辿り着き、棺桶の錠、念仏の鉄、鉄砲玉のおきん、おひろめの半次と知り合い、刑場に戻ったが、

念仏の鉄「どうだ、わかったか?」
棺桶の錠「ねえよ。」
おひろめの半次「首がねえ。」

どういうこと?

念仏の鉄「これはどうやら考え直さなきゃいけねえようだなあ。」
おひろめの半次「というと?」
念仏の鉄「首の正体がバレたんで慌てて掻っ払って行きやがったんだ。」
鉄砲玉のお金「じゃあ、やっぱり、この子のおとっつぁんが…」
念仏の鉄「そうとしか考えようがないじゃないか。え、棺桶。」

その頃、北町奉行所同心で観音長屋の4人とも関わりのある中村主水は廻船問屋の浜田屋庄兵衛(大滝秀治)と会っていた。

中村主水「この度は長かったですな。」
浜田屋庄兵衛「三月になるかな。」

なんでも松前まで足を伸ばしたので旅が長くなったようだ。主水は使いで来たようである。

浜田屋庄兵衛「実はあんたを呼んだのは他でもない。これを的場さんに渡してもらいたい。」

主水は北町奉行所の厠で何枚か抜いた後、的場に渡したのは言うまでもない。この後、甘そうな大福餅を食べながら、主水は念仏の鉄から驚くべき話を聞いた。

中村主水「何? 闇の御前が生きている?」

さて事件の真相はどうだったのか。続きは映像で御確認いただきたい。ヒントは書いたけどねえ。