ハニーポット(必殺仕置人)
必殺仕置人 第2話 「牢屋でのこす血のねがい」(脚本:國弘威雄と貞永方久、監督:貞永方久 (C) 松竹)より
さて中村主水は北町奉行所与力 高坂多聞(唐沢民賢)の依頼で雑穀商差配総元締 山城屋藤兵衛(松下達夫)の護衛をすることになった。中村主水は念仏の鉄と棺桶の錠を臨時に雇って潜入したが、鉄は先ほどの若い女(原良子)と同衾。そして彼女の髪を撫でて気づいてしまった。あの若い女が近江屋を殺した女だという事を。さらには男(北原将光)がそれとなくそれとなく着いている事まで。鉄は代わりに仕置してやる事まで持ちかけたが話はつかず、主水の元を離れ、錠も離れた。そして山城屋が八王子まで豆の買い占めに出かけた先で事件が起きた。
女は山城屋への接近に成功。風呂に入っているとそこへ山城屋藤兵衛がやってきた。ついに本懐を遂げる時がやってきたのか?
山城屋「未だ独り身なのかい?」
女「一昨年の秋、死に別れて。」
山城屋「そう。女1人で大変だねえ。」
やはりいよいよ本懐を遂げる時か?
女は山城屋に襲いかかったが、山城屋は強かった。そして
着いていた男「お嬢様、お嬢様。」
山城屋の用心棒 佐々木主膳(宮口二郎)に男は斬られてしまった。形勢逆転。
佐々木主膳「山城屋、やっぱりこんな事だったな。」
女「要助。」
見かねて主水が止めに入った。
だが
別の用心棒「山城屋、この女はどうする?」
山城屋「先生方の勝手にするんだな。」
というわけで
佐々木主膳「女、上がってこい。」
流石に女は躊躇したが
佐々木主膳「生まれたまんまの女の姿を見るのも良いもんだ。さあ、上がって俺達にはっきり見せるんだなあ。」
というと、即座に湯船に近づいた。見かねた主水がこう言ったが
中村主水「待ってくれ、おい。」
だが
山城屋「良いんだ、中村さん。私が高坂さんに話をつけておく。」
中村主水「いや、しかし。」
山城屋「余計な事はせんことだ。女は私から直接高坂さんに引き渡す。(用心棒達に)殺さぬ程度にやるんだな。」
中村主水は罠にハマった女が好きなようにされるのを見ることしかできなかったのであった。だが山城屋は気がついていなかった。中村主水が仲間とこの後、何をするのかを。女ことおしんの叫びが響いた。父や母や姉の恨みも籠った叫びが。